100歳を超えてなお水墨画を描き続け、市内を中心に展示会や教室などを主宰していた故・小山閑泉さんを偲ぶ「追悼水墨画展」が、5月10日(水)から海老名市民ギャラリーで開催される。主催は小山さんが水墨画の指導を行っていた教室「閑泉墨粋会」の生徒たち。同氏の遺徳を偲ぶとともに長年の指導に対し感謝の気持ちを表そうとの思いから実施に至った。
小山閑泉さん(1912年11月―2016年6月)は、カルチャーセンター・公民館講座・福祉施設などで教室や展示会を行っていた上今泉の水墨画家。103歳で逝去するまで描き続け、生涯で全200〜300作品を手掛けた。晩年入居していた綾瀬市の老人ホームでも展覧会を開催するほどの熱の入れようだった。
小山さんが水墨画を始めたのは60歳の頃。もともと中学の音楽教師として教壇に立っていたが、53歳の時に保護者の勉強会で日本画を学ぶ会を企画。これがきっかけで、以前から興味のあった水墨画を本格的に習い始めた。以来、水墨画の奥深さに魅せられ、36年前には市内の公民館で「水墨画OB会」を、その後も「道志会教室」「サティー教室」を立ち上げるなど精力的に活動してきた。
渡辺崋山の系譜に師事
小山さんが師事したのは、江戸時代後期の武士で画家でもあった渡辺崋山の流れをくむ画家・喜田雲泉。その系譜の中には帝国美術院会員などとして画壇で地位を築き、文化勲章を受章した日本画家・松林桂月などもいる。渡辺崋山の頃は日本画を描いていたが、時代を経て作風は水墨画へと移行していったという。
小山さんの作風は、ゆったりのびのびと描かれているのが特徴。絵には自身の心情を込めた漢詩が添えられている。今回の展示会では、小山さんの代表作である「夕焼け」「心花努放」「人生是酸甜」など9点のほか、師事した生徒16人の作品57点が並ぶ。
会期は5月14日(日)までで。時間は午前10時から午後5時(初日は午後1時から、最終日午後4時)までとなっている。
10カ月にわたり同展を企画してきた閑泉墨粋会の代表・吉田富夫さんは「先生への感謝の想いを込めて会員全員で企画してきました」と話している。
問合せは吉田さん【電話】046・232・6357へ。
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