創立30周年を迎えた「座間市防火安全協会」の会長を務める 樋田 留夫さん 相模が丘在住 74歳
謙虚に、慎ましく
○…市内の企業や教育機関など206事業所が加盟する同協会。事業所の防火・防災体制の確立、市民の防災意識の向上を目的に活動しており、市民を対象とした普通救命講習会、防災講演会、初期消火競技大会などを行っている。30周年という節目を迎えた今年、東日本大震災によって、市民の間でも防災と防火への関心が高まっている。「東海地震などの発生も心配されており、協会も強い意識を持って活動しないといけない」。穏やかな口調の中にも強い意思がある。
○…昭和12年に富山県で生まれる。若くして上京し、塗料販売会社に就職。15年ほど勤務したのち、個人店を東京で開業、昭和53年に座間へ移店。その3年後、(有)ヒダ塗料を立ち上げた。創業から現在まで心血を注いで築いた会社は、息子さんが継ぐ準備を進めている。会社を継ぐという話を聞いた時は、「嬉しくもあり、自分と同じ苦労をさせたくない思いもあった」と複雑な心境だった。とはいえ、「仕事の様子を見ていても、よく頑張っている」と控えめながら誇らしげに話し、「忙しいから健康だけには気をつけて欲しい」と親心をのぞかせる。
○…経営にしろ、地域活動にしろ、「人様のおかげで成り立っている」という信念を持つ。謙虚で素朴な人柄で、「不器用なんです。だからこそ、人の話をしっかりと聞かないといけません」と語る。これまでに小学校PTA会長、青少年補導員、民生児童委員など様々な活動に取り組んだのも、地域の人たちに指導していただき今がある」という感謝の思いから。
○…奥さんと息子さん夫婦、娘さんとの5人暮らし。仕事が忙しく趣味に没頭することはなかったが、新聞のコラム欄のスクラップを30年ほど続けている。お気に入りのコラムを見つけ、ノートに一字一句書き写すという。「勉強のため。まだまだ学ぶことがたくさんあります」―。柔和な笑顔で語った。
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