秋の褒章で「黄綬褒章」を受章した シェラトン都ホテル東京四川総料理長 橋本曉一(きょういち)さん ひばりが丘在住 68歳
なせばなる
○…県内で10人が受章した秋の褒章の黄綬褒章。受章を知ったときにまず思ったのは「また責任が重くなった」。”現代の名工”など、今まで受賞した賞は10以上。「覚えきれない」と笑う。オープン時から東京白金のシェラトン都ホテル東京四川総料理長を務め、33年目。調理師国家試験の主席検査官に就き、県内外の調理学校6校で教鞭をとる。中でも「学校は息抜き。生徒はびっくりする質問をしてくるから面白い」そうだ。「偉ぶらない優しい、すごい先生」と慕われている。
○…19歳で料理の道に進んだ。高校を卒業して一度は一般企業に就職したが叔父の「商売の道へ行け」の言葉とともに、ご馳走になった中華料理のフルコースに衝撃を受けた。「支那そばしか食べたことがなかった」と、すぐに辞表を提出。東京の友人に手紙を出し上京した。師匠と呼ぶ陳建民さんの店で修行を重ねた。毎朝8つの五右衛門釜でご飯を炊き、皿洗い、まかないを1年、お客さんに料理を出すまでに6年かかった。「厳しかったけど、辞めたいと思ったことはないよ」
○…両親の出身地である富山県で育った。銀座などの店を経て、大和市の料理店に勤めることがきっかけで、40年以上前に座間に移り住んだ。「毎週のように雑誌などの取材が来るよ」と、今が一番忙しいそう。ここ10年は1年間の休みは2,3日で「もう慣れた」と毎日を楽しんでいる。学校が休みの時期には、調味料などの買い付けに中国へ。すでに80回を超えるという。本場の話を生徒にし、「勉強家の先生」と言われている。
○…「なかなか辞めさせてくれない」と嬉しそうに笑う。都内百貨店に並ぶおせち料理の監修が夏から始まり、先日は味を見るために姫路へ。「日本中すべて回ったよ」と、全国にいる弟子にも気をかける。和洋食のジャンルにも興味があり、料理界の交流にも積極的。何でも前向きに、「くよくよしないこと」と今日も笑顔だ。
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