明治時代に日本で初めて設置された、ひばりが丘から相模原市南区麻溝台に伸びる地図作成の基準となる線「相模野基線」。東日本大震災による地形への影響を調査するため、1月12日、88年ぶりとなる再測量が行われた。(社)神奈川県測量設計業協会と国土地理院関東地方測量部によるもの。
基準として定める線”基線”から、三角形の性質を利用していくつもの点と線を結んでいく三角測量という方法がある。近代測量技術のひとつで、日本では明治15年にドイツから取り入れ、日本地図作成に採用した。44年までに全国で14の基線が設置されたが、一番目に定められた基線がひばりが丘に南端点を持つ相模野基線となる。約5.2Kmの直線で、中間点は相模が丘2丁目、北端点は相模原市麻溝台にある。
2011年3月に発生した東日本大震災による地形の変化を調査するため、1月12日に再測量を実施。人工衛星の発する電波を受け位置情報を特定するGNSS(全地球航法衛星システム)測量で、基線の長さの伸縮を調べた。
大正13年の再測量以来、88年ぶりとなる実施。前回は関東大震災を受けたもので、24cmの伸長が記録された。今回の調査結果は2月3日(金)、サニープレイス座間で発表される。国土地理院による講演「海溝型地震と南関東」も同時開催。定員は先着100人。午後1時30分から4時。希望者は1月27日(金)までに同協会【電話】045・662・6676/【メール】info@shinsokky.jp
電話は土日・祝日を除く午前9時から午後5時。
遺産としての基線
GNSS測量が主流となってから、全国に散らばる三角点はGNSSの観測点「電子基準点」に変わり、現存する基線も少なくなった。後世に残すべき近代測量技術としての見直しが進んでおり、相模野基線は2010年に土木遺産に認定された。
測量に参加した同協会技術委員会の下浜優治委員長は「基線や測量技術は文化遺産と震災復興の両面をもつ貴重なものだと改めて実感した。今後、調査結果を役立てていきたい」と話している。
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