座間警察署長に就任した 陶山(すやま)和美(かずよし)さん 座間市在住 55歳
責任感で人を守る
○…初となる警察署長を、17カ所目の異動先、座間市で務める。3月19日付けで就任した。座間との接点は、10代のころ通学に利用していた小田急線の車内から眺めていた程度だったが、今は「署内一の座間ツウになりたい」と、自転車で時間をかけて街中を巡る休日を送っている。「座間はとても起伏が激しいですよね。こういった目で見て、肌で感じ取る情報が、治安維持の要なんです」。市民から信頼され、期待される警察署を思い描きペダルを漕ぐ。
○…大和市生まれ。警察官だった2人の叔父の影響を受け、20歳のころから同じ道を目指すようになった。この30年余りで携わってきたのは、治安維持や風俗取り締まりといった生活安全に関わる業務が主。2010年に神奈川県が公共施設での受動喫煙防止条例を施行したときの担当は川崎競馬場。公営ギャンブルという場での喫煙所のすみわけに尽力した。「苦心するかとも思ったが、利用者の方の協力が大きかった。また吸殻のポイ捨てが減り、目に見えて場内がきれいになったことはうれしかった」
○…一口に地域の安全を守ると言っても、業務内容は幅広い。国家賠償訴訟の県指定代理人を果たす”訟務係”に就いていたことがある。日ごろは自分たちが守るべき地域住民を相手にした訴訟。重圧と、苦しさもあった。さらに法律は門外漢。「理解力や知能は高くない。人一倍の責任感で乗り越えていくだけでした」。過去の判例をひたすら調べ上げ、血眼で知識をもぎ取る独学の日々。毎晩の夢さえ法律一色で、ノートを枕元に常備していたという。
○…妻と2人の息子がいる。次男は小田原署に務める警察官。仕事の相談をはじめ、会話の絶えない親子なんだとか。「震災時に家族の元へは駆けつけられない。だから備えと心構えの大切さは日ごろから強く言っています」。人を守る責任感を地域に向けて。心強い座間警察署長だ。
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