東地区文化センターで行う科学教室の講師を務める 榎本 昭次さん 緑ヶ丘在住 60歳
「ずっと授業していたいよ」
○…念願だった地域での科学講座を、東地区文化センターで毎月1回、開催している。大人も子どもも楽しめる内容で、60歳の参加者もいるそう。「科学的にものを考え、世の中の見方が変わればうれしい」と期待を寄せる。3月に相武台東小学校で定年を迎えるも、再任用となり現在も同校に通う。生涯一”理科の先生”だ。
○…「先生って呼ばれるのが苦手でね。なんか偉そうに聞こえちゃうでしょ」と、児童からは「エノモッチ」の愛称で呼ばれている。子どもたちと触れ合うことや授業を大切にしたいと管理職は目指さず、現場で教鞭をとってきた。授業の感想ノートには「ちょう楽しかった」や「もっと知りたい」という声がずらり。学習意欲を引き出す「きっかけ」を大切にし、まず予想を立て討論し、実験して確かめていく「仮説実験授業」を基に進める。実験や調査をすることで、自発的に考えるようになるという。市内の先生たちと会を立ち上げ勉強会を開く日々だ。
○…結婚を機に座間市に移り住んで32年。英文科を卒業し、教員免許は通信で取得。最初の勤務地は相模原市にある社会教育施設だった。そこで出会った指導員から、自然科学の魅力を教えられ夢中になった。市内の小中学校に生息する生物や植物をひとりで本にまとめたことも。そんな姿を支える妻とは赴任先で出会った。「天下一品で最高」という料理担当の妻と、自身は洗濯、掃除をこなしている。最近は掃除ロボットを買ったとにんまり。教員同士で組む”相東バンド”でのギターも日々を充実させる楽しみのひとつ。
○…定年を迎え、歳をとったのが悲しいという。「あとどれくらい授業ができるかな、ずっとしていたいなあ」。放課後は理科室に続々と児童が集まり、原子の模型を真剣に作る姿などが見受けられる。そんな子どもたちを「本当に学びたいことをやっている」とうれしそうに眺める。
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