大凧まつり 歴史と魅力ひもとく 保存会の鹿野会長にインタビュー
神奈川県のまつり50選に選ばれ、市内外から多くの来場者がある「座間市大凧まつり」が5月4日(金)と5日(土)の午前10時から午後4時まで、座架依橋上流の相模川グラウンドで開かれる。今回は、主催する実行委員会の委員長で、市大凧保存会の鹿野正士会長に、大凧まつりの歴史や魅力についてインタビューをした。
大凧の歴史
――座間の大凧の歴史はいつから始まったのでしょうか?
「座間地域で大凧が揚げられるようになったのは江戸時代、1800年代の前半とされています。端午の節句にあわせて、男の子の健やかな成長を祝う行事として始まりました。昔は、現在のように一ケ所で開くのではなく、新田宿、四ツ谷などの各地域で凧揚げが行われていました。そして、1965年から、文化財保護や観光の観点から、市(当時の町)全体の行事になりました。その10年後の1975年、この伝統行事を保存し、次世代に伝えていこうと『大凧保存会』が発足しました」
歴代の凧文字
――大凧といえば、赤色と緑色で描かれる2文字が印象的ですね。
「右上の赤色の文字は太陽を、左下の緑色の文字は大地を表現しています。大凧の文字は、市民の方にまつりへの関心をより持ってもらうため、15年ほど前から公募して決めています。文字は、その年の世相や干支を表現したものが多く、平成元年の時は「平成」、神奈川で国体が開かれた1998年は「国体」となっていました。昨年は、東日本大震災からの復興を祈願した「復興」を、大凧よりサイズが小さい2間凧(3・6m四方)として揚げました。今年は鈴木史生さんが考案した「興龍」で、天に昇る龍のように震災からの復興を遂げて欲しいという願いが込められています。
ちなみに、分かっている一番古い凧文字は、1887年に四ツ谷で揚げられた『丸儲(まるもうけ)』です。この年は、地場産業だった養蚕が大当たりだったようで、この文字になったようです」
今年の見所
――今年の大凧まつりの見所は?
「何と言っても、大きさ13m四方、総重量1tになる大凧の掲揚です。大凧保存会では、2ケ月ほどかけて、骨組み、紙張り、糸目付けといった作業をこなします。4月14日には市内の子どもたちに協力してもらって、和紙に凧文字を書きました。多くの市民が関わった凧は、100人以上の引き手によって大空に舞い上がります。地上から浮いた瞬間、会場からは大きな歓声が上がります」
――今年は、2間サイズの凧も個性あるものが揃っていますね。
「1つは、寄せ書き凧です。これは、座間と都市間交流のある福島県須賀川市の小学生に書いてもらったものです。実は昨年、座間の小学生がメッセージを書き込んだ凧を須賀川へ送り、8月の『いわせ悠久まつり』で揚げていました。今年は、逆に須賀川の子どもたちに書いてもらうことになりました。児童一人ひとりが書いたメッセージもあれば、皆で協力して仕上げた『ふくしまから ありがとう』というものもあります。
また、昨年に誕生したばかりの座間のマスコットキャラクター『ざまりん』と、NHK横浜放送局の人気キャラクター『マドロスどーもくん』が描かれた2間凧も揚げる予定となっています」
多彩なイベント
――会場内では、ほかにも多彩なイベントが行われますね。
「4日は、伊勢原市の『楽天会』によるせみ凧の掲揚、小学生力士が熱戦を繰り広げる『わんぱく相撲座間場所』の開催があります。5日は、座間市が作った飲料水『ざまみず』のアピールイベントが行われます。ほかにも須賀川市の農産物の販売、各種模擬店、ざまりんとの握手・撮影会などイベント盛りだくさんです。家族で楽しめるお祭りですので、ぜひご来場下さい」
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