▽任期満了に伴う市議会議員選挙が9月23日に投開票され、23人の顔ぶれが決まった。一方、市長選挙は16日の告示日に現職以外に届け出がなく、遠藤三紀夫氏が再選を果たした。市制が施行されてからの首長選挙では初。町制にさかのぼっても、48年振りの無投票当選になる。
▽今回の市長選挙は、6月の市議会で現職が出馬を表明してからは、対抗馬が出る動きもなく推移した。8月の事前説明会には、議長経験のある鈴木健治氏が、「無投票は市民の利益にならない」として出席したが、同月8日に出馬を断念。二元代表制を担う議会からも対立軸は出ず、争点となる要素も示されることはなかった。
▽4年前、市長選挙に初挑戦した遠藤氏は、わずか1110票差で次点候補を振り切り当選した。1期目を振り返ると、義務的経費の増加によって、政策実現に使う予算が限定されるなど、独自色を打ち出しにくい4年間だった。そのなかで、市民と行政が一体となって課題解決に取り組む「座間市相互提案型協働事業」を2011年度からスタートさせ、協働の風土をもたらした。さらに、国への働きかけによって、キャンプ座間の土地の一部返還が現実のものとなり、病院を誘致する環境が整ったことは、近隣に比べ病床数が少ない座間市にとって大きな一歩といえる。
▽しかし、これらの成果や2期目で取り組む重点事業が市民に示され、異なる主張のなかで信任を得ることは叶わなかった。遠藤氏も、今月24日に開かれた選挙報告会で、「複雑な心境がある」とした上で、「市民からあらゆるご意見をいただきながら、自分の考えを披露したかった。また多くのご批評をいただきながらスタートを切りたかった」と心情を吐露した。
▽遠藤氏は、1期目の所信表明で「個性豊かな郷土座間の実現」を掲げた。また、今回の市長選挙に向けて作った法定ビラのなかでも、「かけがえのない郷土座間の進化・発展」をあげていた。2期目の遠藤市政は、10月1日からスタートする。所信表明は、就任後初となる定例議会で行われる見込みだ。そのなかで遠藤氏が「郷土座間」の実現と発展に向けて、どのような具体策を打ち出すのか、注目していきたい。
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