子どもの交通安全を願って1977年に結成され、これまでに820回の公演を行ってきた「交通安全劇場」(兼田智子代表)が、その歴史に幕を下ろすことになった。お別れ公演は来年6月。5人のメンバーは、子どもに交通安全や命の大切さを伝えようと、残りわずかな公演に全力で取り組んでいる。
11月24日、ハーモニーホール座間で開かれた「市交通安全推進大会」に、同劇場が出演。メンバーの五十嵐愛子さんが脚本した劇「アンドロイド星人」を全員で演じた。歌やクイズを盛り込みながら交通ルールを伝える劇は、子どもに大人気。終演後は、会場から大きな拍手がおくられた。
同劇場は、市婦人交通指導員8人によって結成された。「楽しみながら学べるように」と発案された交通安全劇は、県内でも珍しい啓発スタイルだった。その内容は、オリジナルの交通安全劇と人形劇の二本立て。両方合わせて50分におよぶが、「子どもが最後まで集中して見てくれる」(兼田さん)。初公演は1977年8月の相武台東小学校。それから小学校や保育園を中心に活動し、11万8千人を動員した。
現在のメンバーは兼田さん、五十嵐さん、米本隆子さん、本多理恵さん、飯島千恵子さん。それぞれが演者であり、人形製作・会計・脚本・音楽・交渉・移動などの役割を担っている。兼田さんが「宝物」と表現するほど、仲間の絆が強いからこそ少人数ながら長年活動できた。
解散を決めたのは昨年の春。同劇場には「家庭をおろそかにしない」というルールがあり、公演の回数や練習の量が限界を超えてしまったという。
お別れ公演は来年6月1日にハーモニーホール座間で開催される予定。本多さんは「残りの劇を一生懸命やるだけです」と話し、兼田さんは「一つ一つを大切に演じます」と意気込んでいた。問い合わせは兼田さん【電話】046・252・1351。
座間版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|