栗原神社の総代長と、再建委員会の委員長を兼任する 大矢 一則さん 南栗原在住 67歳
「皆に支えられた1年」
○…昨年3月7日に発生した放火事件から約1年1カ月。焼失した神楽殿と社務所の再建工事が終わり、今月20日に落成式を行った。火災が発生した時の記憶は今でも脳裏に焼き付いている。午前3時頃に一報を受け、神社から約500m離れた自宅玄関を開けると、煙の臭いが鼻をついた。自転車で駆け付けると、燃えさかる神楽殿と社務所。そんな惨状のなか目と心にとまったのが、2009年に新築したばかりの御社殿だった。混乱にも動じない、凛とした佇まいを目にして、「これならなんとかなる」と再建を直感したという。事件の3日後には、臨時総会で9月の例大祭開催が決まり、再生への一歩を踏み出した。
○…神社と深く関わるようになったのは、約26年前。地元の先輩から誘われ、世話人を務めるように。これまでに、お囃子の舞台造り、御社殿の新築、栗原天神社と東広場の建設・整備などに携わった。そして1年前からの再建活動。多忙な日々のなかで、大きな支えとなったのは、神社の世話人たち。「みんな積極的に意見を出し合い、良い方向に話を進めてくれる。今回の件では特に意志を統一し、奉仕してくれました」
○…南栗原の栗原大矢製畳の店主。職人だが、趣味はハーモニカと意外な一面も。座間第一小学校(現・座間小)ハーモニカクラブの卒業生が結成した「ざまリードアンサンブル」の会長を務めている。「俺より上手い人ばかり。でも定番曲のエーデルワイスは得意だよ」と屈託なく笑う。クラシックなど音楽も好きで、名ヴァイオリニストのヤッシャ・ハイフェッツの曲がお気に入り。畳の製作中にもBGMとして流すそう。
○…奥さんとの2人暮らし。3人の娘さんは成長し、今は「宝物」と表現する孫が7人いる。周りの意見やアドバイスを丁寧に受け止める、真摯な人柄。神社もざまリードアンサンブルも「皆が助けてくれるからこそ」と謙虚に語る。
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