「災害時の避難所は地域住民が自主運営するもの」――。そんな認識を市民に深めてもらおうと、市が6月21日から22日にかけて開設・運営訓練を東中学校で実施した。発災直後の避難から炊き出しまでを、住民主導で行う実践的な内容で、約70人が参加した。
21日の午後8時、同校の体育館には30人ほどの参加者が集まった。取り組むのは「クロスロード」というカードゲーム。「大地震の発生直後、学校にいる子どもを迎えに行く途中で、救助が必要な人を発見した。迎えに行くか、助けるか」などといった二者択一について、参加者同士で議論するというものだ。「多様な考えや意見を知ることができる。様々な人が集まる避難所運営において大事なこと」と、講師でざま災害ボランティアネットワーク代表の濱田政宏さんは話す。
大地震が起きた時は、市職員や学校関係者も被災者となり、いわゆる「公助」が動き出すまでに時間がかかる。また、これまでの災害事例では避難所生活が長期化するケースもあり、避難所の運営は住民が原則担い、地域の拠点とする必要がある。こうした点を市民に理解してもらい、開設・運営の流れを体験してもらおうというのが、今回の訓練。市の主催、災ボラの協力で行われた。「主役」となる地域住民は、ひばりが丘2丁目自治会と東原団地自治会の会員だ。
訓練は、市や住民が協力して策定したマニュアルに基づいて実施。ひばりが丘2丁目自治会の伊藤政裕会長は「初の実地訓練でしたが、上手く運営できたと思います。ただ、被災状況や物資に関する情報伝達が不十分だった」と振り返った。さらに、「避難所についての認識は、自治会役員と一般会員で温度差がある。今後も継続的に訓練し、自主運営の意識を高めなければ」とコメントした。
協働事業に活かす
市と災ボラでは今年度、相互提案型協働事業として「避難所運営委員会設置・運営支援事業」を予定している。学校やコミュニティセンターなど市内3カ所で、秋から行う計画。担当の市安全防災課は「今回の訓練の内容をしっかりフィードバックして、協働事業に活かしたい」と話していた。
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