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座間版 公開:2014年7月25日 エリアトップへ

洋画家・相笠昌義さん 「この道ふた筋」に生きて デッサン・昆虫展 きょうから

文化

公開:2014年7月25日

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作品と昆虫標本に囲まれて日々を過ごす(自宅兼アトリエにて)
作品と昆虫標本に囲まれて日々を過ごす(自宅兼アトリエにて)

 何気ない日常を独特のタッチで描く画家、相笠昌義さん(75・立野台)。「洋画家の登竜門」こと安井賞や芸術選奨文部大臣新人賞など、数々の栄誉を手にし、多摩美術大学の名誉教授も務める。その裏の顔は、世界各国で昆虫を追い求め、自ら採集してきた収集家だ。その両面を切り取った「デッサン・昆虫コレクション」が、ハーモニーホール座間できょうから開催される。

 自宅兼アトリエには、壁一面の油彩画と、100を超える標本が並ぶ。昆虫の収集歴は40年を数え、コレクションは1万匹を超えた。ともに、人生で決して欠かすことのできないものだ。

 教壇にたつ度、生徒たちによく言い聞かせる言葉がある。「夢中になるものが1つではよくない。人生、挫折を経験することもある。『この道ふた筋』で生きるのがいいんだ」――。

 「人間関係が、苦手だった」。取材は、意外な一言から始まった。今や世界的な画家であり昆虫収集家の原点は、意外にも少年時代の「孤独」だったという。

 戦争末期の上野に育ち、東京大空襲により疎開を余儀なくされた。福島の相馬郡で小学校生活を送るも現地の同級生に馴染めず、草原の虫を追いひとり黙々と絵を描く日々が続いた。初めは一人遊びの手段にすぎなかったが、「昆虫熱」は日々加熱していった。

 中でも心惹かれたのが、「ファーブル昆虫記」第1巻に登場し、動物のフンを餌とする「ダイコクコガネ」。オスがツノを持つ、黒くて丸い甲虫だ。「樹液をすするコガネムシが進化して、行き着いた頂点がフンを食べる事だったなんて、面白いでしょう」

 その一方で、作品の多くは人物がモチーフになっている。常人が日々の中で無意識に見送る風景に焦点を当て、赤味がかった暖かな色合いで描き出す。スケッチは、それらの作品の原点。スケッチブックは日々持ち歩き、座間駅で電車を待つ人や遊具で遊ぶ子どもなど、ありふれた景色を描きとめているという。

 展示では、約50枚のスケッチと、過去最多となる約50点の標本が並ぶ。座間で採集された「故郷の虫」や、世界最大のカブトムシなども展示される予定だ。

 きょうから31日(木)まで。午前9時30分から午後5時(最終日は4時まで)。入場無料。28日は休館。27日(日)午前10時頃からは、相笠さんによるギャラリートークが行われる。

 問い合わせは市生涯学習課【電話】046・252・8476。

ブローチのように色鮮やかなものから世界最大のカブトムシやコガネムシ、蝶まで。コレクションは多岐に渡る
ブローチのように色鮮やかなものから世界最大のカブトムシやコガネムシ、蝶まで。コレクションは多岐に渡る

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