神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
座間版 公開:2014年8月29日 エリアトップへ

高校生が災害の専門家に取材 避難所の役割と課題とは キーワードは「自助」

教育

公開:2014年8月29日

  • LINE
  • hatena
ざま災害ボランティアネットワークの濱田代表。防災に携わって30年以上の、専門家だ
ざま災害ボランティアネットワークの濱田代表。防災に携わって30年以上の、専門家だ

 座間市で防災・減災に関する啓発活動を展開する「ざま災害ボランティアネットワーク」(災ボラ/濱田政宏代表)。「いっせい防災行動訓練」(=シェイクアウト)などを市と行ってきた災ボラが今年度、行政と協働で企画するのが、住民主導の避難所の運営と開設訓練だ。避難所の役割や意義について、8月21日と22日にタウンニュース座間編集室にインターンシップで訪れた長井健太郎さん(相模向陽館高校4年生)が取材した。※以下、敬称略

「過酷な世界」

 長井 避難所の役割について教えてください

 濱田 災害によって住む家を失った人が生活する場所です。家が倒壊した、火事で家が焼失した、心理的に一人で暮らすのが難しくなった…、そういう人たちのためにあります。座間では学校やコミュニティセンターなどが避難所に指定されています。

 長井 避難所生活はどのようなものなのでしょうか

 濱田 一言でいえば過酷な世界です。1人あたりのスペースは約1×2m。その中に荷物を置き、生活しないといけない。トイレ、水、食糧の問題もある。やはり家で生活するのが一番。避難所に来ないように、準備することが大切です。

 長井 どのような準備をすればいいのですか

 濱田 座間市は、最低3日分の非常用備蓄品を用意しましょうと呼びかけています。しかし、南海トラフ地震が発生した場合は、3日分では足りないと言われており、5日から1週間ぐらいの食料や水が必要だとされている。十分な備蓄があり、地震によって家が倒壊しなければ、厳しい環境の避難所に行く必要がありません。行政に依存しない、「自助」の意識が必要なんです。

 長井 東日本大震災の後では、避難所の在り方に変化はありますか?

 濱田 避難所は、1995年の阪神淡路大震災や、2004年の新潟県中越地震を経て、その役割が確立されてきました。しかし、東日本大震災は災害規模が違った。避難所であるはずの学校が津波によって無くなり、その確保に苦労したそうです。そこで出てきたのが、お寺など私設の避難所でした。公設避難所ももちろん大事ですが、顔見知りが集まる私設ならではの良さもあると考えています。

自己意識の変革

 長井 避難所開設と運営での課題はありますか?

 濱田 避難所に限らず、防災・減災対策全般に言えますが、市民の考え方が変わらないといけません。「自助」・「共助」・「公助」という概念がありますが、避難所はまさに自助の世界。その運営を行政だけでやれと言っても無理。災害が自分たちの問題だということを認識しないと、対策しても無駄です。 

 長井 意識変革のために取り組んでいることは

 濱田 今年度は、避難所の開設・運営訓練を市と協働で行います。東原コミュニティセンター、西中学校、相模野小学校をモデル施設として、住民主導の避難所マニュアル作成と訓練を実施する計画です。

若い世代の役割

 長井 避難所において、私たちのような若い世代が担うべきことはありますか

 濱田 震災から一週間もたつと、大人たちは仕事にいかなければいけない。その中で、小学校高学年の子どもや中学生が果たすべき役割は多い。一方で、高校生は遠方から通う人もいる。市内における避難所の運営という点において、高校生を戦力とすることは難しい。座間市内で支援に携わりたいという時に活用して欲しいのが、ボランティアセンターです。

 長井 ボランティアセンターとは何ですか

 濱田 ボランティアセンターは助けて欲しい人と、助けたい人をつなぐ組織。災害時、困っていることについての情報が集まり、その仕事を集まったボランティアにお願いする。運動部であれば力仕事へ、介護関連の学校に通っている人であれば、そのスキルを生かせる現場へと派遣します。もしもの時は支援に訪れてくれると嬉しい。

 長井 高校生はセンターの存在を知っておかないといけないですね。今日は色々な事を教えていただき、防災への考えが変わりました。ありがとうございます。

向陽館に通う長井さん。東日本大震災の発災後、災害や防災に対する意識が高くなったそう
向陽館に通う長井さん。東日本大震災の発災後、災害や防災に対する意識が高くなったそう

座間版のローカルニュース最新6

異文化に触れよう

異文化に触れよう

2月9日 国際交流フェス

1月31日

20年前から熱い気持ちで

20年前から熱い気持ちで

時を超えて再度インタビュー

1月31日

老人クラブで防災講話

老人クラブで防災講話

石川さん、具体例交え

1月31日

小学生以下にプレゼント

ラグビーボール2019個

小学生以下にプレゼント

2月2日(日)三ツ沢球技場で

1月31日

男声合唱の世界へ

男声合唱の世界へ

座間男声合唱団定演

1月31日

地元の力になろう

地元の力になろう

災害VCスタッフ養成講座開催

1月31日

あっとほーむデスク

  • 11月8日0:00更新

  • 11月16日0:00更新

  • 4月20日0:00更新

座間版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2020年1月31日号

お問い合わせ

外部リンク