座間の発展に貢献した先人から「めざす大人像」を子どもに学んでもらおうと、市教育委員会が副読本「郷土の先人に学ぶ」を刊行した。明治時代に教育組織「座間幼年会」を設立した鈴木利貞さんと、戦後の地域医療を支えた庵政三さんを紹介した本で、2学期に市内小学校6年生と中学生に配布される。
「郷土の先人に学ぶ」は、市の教育指導計画「ひまわりプラン」(2011年策定)の骨子「こんな大人になってほしい」に基づいて企画。取り上げる人物の決定や、執筆、編集など3年がかりで製作した。「座間の偉人の功績や人柄を明らかにすることで、目標とすべき大人像がわかりやすくなる」と金子槇之輔教育長は、その意図を説明する。
河原宿(現/座間2丁目)生まれの鈴木さん(1882〜1938年)は、明治後期から昭和前半にかけて、農村の子どもにとって貴重な学びの場だった「座間幼年会」を立ち上げた人物。同会は、子どもたちが「縄ない」や「麻糸つなぎ」で活動資金を得て自主運営していた点や、年長者をリーダーとした指導体制が、日本の教育史上でも高く評価されているという。会の約束「柿の木の下の誓い」は、同プラン「座間っ子八つの誓い」の元になっている。鈴木さんの文章と絵は、市の教員5人が手掛けた。
庵さん(1901〜1971年)は軍医を経て1946年、今の入谷5丁目に「庵医院」を設立。生活に困窮していた人々の診療に尽力し、その功績から1972年には胸像が作られた。文章は、庵医院に患者として通っていた市教育委員の馬場悠男さんが執筆。挿絵は、旭小学校の有山周一教頭によるもの。
本はB5判58頁。市役所1階の市民情報コーナーで1冊140円(税込)で販売されている。問い合わせは教育研究所【電話】046・252・8460。
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