花を活かした街づくりを行う個人や団体を表彰する「第24回全国花のまちづくりコンクール」の団体部門(応募総数1825件)で、さがみ野駅北口近くで「花いっぱいの街」を推進する「さがみ野やすらぎ街づくり委員会」が、農林水産大臣賞を受賞した。地元住民が主役の地道な植栽活動が、13年目にして最高の結果に結びついた。
花のまちづくりコンクール推進協議会が主催し、市町村・団体・個人・企業の4部門で行われる。書類選考から現地調査、最終審査を経て、9月26日に結果が発表された。団体部門で、大賞に該当する農林水産大臣賞と国土交通大臣賞に輝いたのは3団体のみ。大臣賞は「日本一の花の街」とも言える称号だ。
同委員会は商店会「みどりとさくらの街さがみ野」内の美化組織。市道に沿った延長1・6Kmの緑地帯に、29カ所の花壇を設け、季節の花を植えている。
里親制度で個性豊かに
「住むことに誇りが持てる街をテーマに取り組んできました。『日本一の花の街』と胸を張って言えて嬉しい」。興奮気味に話すのは、花による地域活性化を構想した関吉実治会長(=中面・人物風土記=)。さがみ野駅北口から国道246号線に向かって伸びる市道13号線沿いに植えられた桜に着目し、2001年から植栽をスタートさせた。ただ、取り組みを持続・発展させるには、「人手」と「資金」が足りない。そこで採用したのが「里親制度」だ。
関吉会長が経営する美容室の客や地元企業に、花壇の手入れや資金提供の協力を呼びかけた。発足当初は10ほどしかいなかった里親も、現在は30以上の個人や事業所が名を連ねるまでになった。「孫の誕生を祝いたい」「近くの保育園に子どもが通っているから」。里親になる理由は人それぞれだが、それが街の個性につながる。この制度は、地域コミュニティ形成にも一役買っており、「花の社会性を発揮させた先進的な取り組み」として審査員からも高く評価された。
「地域の誇り」
東原在住の久森光子さん(70)は、最初から里親を務めている。現在は2つの花壇を持ち、日々手入れする。今でこそ近くに水場が整備されているが、始めの頃は離れた場所の水道まで何往復もして、水やりをしていたそう。13年間で苦労もあったが、嬉しい出来事も多いという。「昔は、煙草の吸殻や空き缶などゴミが目立っていました。今ではポイ捨ても少なくなりましたし、自発的にゴミ拾いをしてくれる人もいます」と嬉しそうに語る。受賞にあたっては「皆さんの協力があってこそ。地域の誇りです」と喜んだ。
アイデア続々と
同委員会では先月30日に、関係者によるお祝い会を開催。そこでは、今後のアイデアが次々と挙がった。「大臣賞というブランドをどう活かすかが課題。デザイン性の高い花壇を造っても面白そう」と関吉会長。更なる発展に向けて、早くも構想を練っている。
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