11月14日のプロデビュー戦を勝利で飾ったボクサー 奥村 龍太さん 相模が丘在住 20歳
心優しきボクサー
○…デビュー戦の舞台は、ボクシングの聖地とも呼ばれる後楽園ホール。プロテストとエキシビジョンマッチに続き、3度目の後楽園だったが、試合は別物だった。緊張が吹っ切れたのはリングに上がった瞬間。家族や友人など80人近いサポーターから声援を受け、「絶対に負けられない」と覚悟を決めた。試合は、倒し、倒される激しい展開だったが、2度目のダウンを奪った時点でレフリーが試合をストップ。1ラウンド2分35秒でTKO勝ちを収め、コーナーで友人たちと喜びを爆発させた。
○…相模野小と相模中の出身で、小・中学生の頃は野球少年。高校でも野球部に入ったが、どこかのめり込めない自分がいて、1年で退部した。そんな時に出会ったのがボクシングだった。今も所属する相模原ヨネクラボクシングジム(相模原市南区)に見学に行くと、その魅力に取りつかれた。「ただの殴り合いとは違う、攻防一体の難しさ。相手の動きや考えを予測して戦うので、頭も使いますよ」と奥深さを嬉々と語る。プロ2戦目は未定だが、ジムに週6日通い「打たせないで打つ」という理想実現に向け、日々努力する。
○…両親と姉の4人暮らし。家族は、良き理解者でありサポーターだ。デビュー戦後は、「いつもは辛口」だという父親が、勝利を喜んでくれた。将来の夢について、「子どもと休日に遊んだり。平凡だけど、幸せな家庭を築きたい」と一言。ボクサーの顔とは一味違う、優しい表情で話す。
○…ボクシングを離れれば、友人との買い物やカラオケが何よりの気分転換だという普通の「二十歳(はたち)」。日本体育大学の体育学部・社会体育学科に通い、スポーツマネジメントなどを学ぶ。ボクシングも含め具体的な進路は決めていないが、胸に秘めた想いが1つある。それは、座間市や神奈川県に貢献できる仕事をしたいという事。「生まれ育った地元が大好き。そこに住む人のために働ければ」――。
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