4月から実業団「ルートインホテルズ陸上競技部」に入団する 吉田 菜摘さん 相模が丘在住 22歳
ひたむきに、前向きに
○…今月8日のかながわ駅伝でチームの紅一点として4区を任され、座間の名誉を背負い厚木の街を走り抜けた。結果は区間5位。区間賞まであと5秒まで迫った。チーム内では最高の順位だったが「いつものタイムで走れれば、手が届いたはず」と笑顔の中に悔しさをわずかに滲ませる。4月からは、ルートインホテルズ(東京都品川区)の陸上競技部に入部し、実業団入りを果たす。「これからは、プロとして走る。きちんと結果で返したいですね」
○…中学の時、友人の兄に誘われて陸上部に入部。はじめは「なんだかキツそう…」と敬遠していた長距離に、気づいた時には「どっぷり」だった。みるみる頭角を現し、学年一の俊足に成長。荏田高校(横浜市)進学後は新人戦から活躍し、県7位で入賞した。松蔭大では女子駅伝部の1期生。「1年目は3人しかいなくて、大会に出場すらできなかった」。徐々に増えた仲間とともに、関東一円の様々なコースを走破。最高の思い出となった。
○…年頃の女の子らしく、ファッションにも興味津々。「もし、ルートインホテルズに入れなければ、ショップ店員になっていたかもしれません」。中でも109のアメリカンカジュアルブランドがお気に入りだ。だが、そこにはもう一つの理由がある。「東京の実業団に入らずに陸上を続けるとなると、遠い地方に行く可能性が高かった。一人で私を育ててくれた母を、置いていくのは嫌だったので」――。初任給を手にした暁には、いつも応援に駆けつけてくれる母を旅行に連れて行きたいと、ひそかに考えているという。
○…憧れは、高校の先輩である吉川美香選手。ロンドン五輪にも出場した、日本屈指の女子陸上選手だ。「私も、2020年には28歳。今の目標は、吉川選手のように五輪に出場すること。東京五輪で走りたいですね」。トレードマークのはじけるような笑顔とともに、夢にむかって走り続ける。
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