図書館の蔵書を活用して興味のあるテーマを掘り下げる「図書館を使った調べるコンクール」(主催=公益財団法人図書館振興財団)の審査結果が13日に公表され、全国約7万作品の中から小松原在住の田口夏帆さん・あいさん姉妹の「世界をすくうカイコ」が優良賞に選ばれた。
製作期間6カ月、50ページに及ぶ大作。図書館で調べるだけでなく、地域の大人や、カイコ研究の第一人者である大学教授に「体当たり」で取材。シルク博物館や富岡製糸場、野麦峠に実際に足を運び、生態や歴史、可能性などあらゆる側面からカイコを調べ尽くした。
一本の木から着想
研究のきっかけは、自宅近くに生えていた一本の桑の木。黒い実がよく地面に落ちてつぶれているため「前は嫌いな木でした」と夏帆さん。その木が、かつて地域でさかんに養蚕が行われていた頃の名残だと知ると、途端に興味がわいてきたという。
さっそく、自宅で60匹のカイコを飼育し始めた田口さん姉妹。人工飼料と桑の葉、混合したエサをそれぞれ別のカイコに与え、生育状況や糸などを比較。姉妹で協力し、毎日一匹ずつ体長や重さ、フンの量を計測し、飼料によって体の大きさや糸の質感が変化することを発見した。
宇宙での可能性探る
作中ではカイコの「完全栄養食」としての可能性を指摘。人類が地球外に移住した際、桑の木とカイコが人類の食糧事情を支えることができるという前提のもとJAXAにも取材した。
その上で、2人はカイコの調理と実食にも挑戦。「ちょっとニオイがきつかったです」と笑いながら話していた。
夏帆さんは「色んな人に話を聞くうち、どんどん新しい謎がでてきた。協力してくれた人のおかげで賞を取れました」と話した。同作は座間市立図書館の参考図書室で読むことができる。
市内からはほかに、松本唯都さん(旭小2年)が佳作に選ばれた。
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