全国から約100点の出品があった東京砧(きぬた)花き園芸市場品評会の洋ラン部門で、(有)座間洋らんセンター(栗原)の加藤春幸さん(36)が手掛けた「ザ・プレミアム・ホワイト」が、最高位の農林水産大臣賞を獲得した。高さ約140cm、蕾(つぼみ)も合わせて100輪という白色胡蝶蘭。その目新しさや、開発に取り組む姿勢が高く評価された。
この品評会は、鉢物に特化した全国有数の卸売市場「(株)東京砧花き」の主催。洋ラン部門は11月21日に審査会が行われ、入賞作品が決まった。加藤さんが同品評会で農林水産大臣賞を受賞するのは、2014年に続いて2度目。
「ザ・プレミアム・ホワイト」は、4年かけてつくられた品種。市場に広く流通する白色3本立てだが、特徴的なのがそのサイズ。一般的な胡蝶蘭と比較すると、鉢から頂点までの高さは1・5倍ほど、1本あたりの花の数も2倍以上の33〜34輪にもなる。品評会では、花屋を60年以上続けている人から「100輪の胡蝶蘭を見るのは初めて」と驚かれたそうだ。
誕生のかげにLED照明
「誰も見たことが無いような、あっと言わせるものを生み出したかったんです」と加藤さん。父・春朗さんがセンターを創業した1979年頃に比べて、胡蝶蘭が市民生活に定着し身近な存在になったことで、「特別感が薄れてきたのでは」と感じていた。そこで、あえて白色大輪というスタンダードな品種の改良に踏み切った。
成功の要因となったのが、電子機器などを製造するスタンレー電気(株)(東京)や母校・東京農業大学とともに開発しているというLED照明。植物の成長に必要な太陽光に近い光を、LEDで再現する試み。温室に設けることで日照確保につながり、日照り不足が続いた9月も、影響を最小限に抑えられた。
受賞について「嬉しさは勿論あるのですが、それ以上に『まだまだ、これから』という気持ちが強いです」と話す。特殊なLED照明を活用することで新しい品種誕生の可能性が広がると言い、「めざしているのは、お客様の笑顔。そのために、これからも挑戦し続けます」と意気込んでいる。
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