あす7月15日、文芸社から著書『護身バカ』を出版する 杉田 博さん 入谷在住 83歳
人生謳歌する「護身バカ」
○…「闇雲に武術を習うことが護身ではない」――。護身術「文武流護身拳法」の創始者でありながら、日常生活でのさりげない行いこそが「護身」につながるとする著書を書き上げた。「護身する上で最大の敵はストレス。明るく人生を過ごしたい」。歯磨き、ウォーキングなど様々な行動を護身と結びつけるため、ついた異名が「護身バカ」。豊かな人生を送れるよう、独自の理論を世に広める。
○…東京都浅草橋で10人兄弟の末っ子として生まれた。戦時中の幼少期は体が弱く、集団疎開ができなかったという。空襲が激しくなると個人疎開で埼玉県へ。「田舎の子ども達と裸足で走り回っているうちに強くなった」と振り返る。慶応大学在学中、父が社長を務める革製品メーカー会社の工場を任されると、家業に熱中するように。24歳で兵庫県明石市へ行き、新工場の立ち上げに尽力した。「土地の購入から採用まで全部やった。楽しくて楽しくて」と懐かしむ。親父狩りが流行していた60代半ばの頃、「より実践的な護身術を」と武道経験を活かし流派を創立。これまで述べ400人の弟子を指導した。
○…一人カラオケ、ギター、ウクレレ、麻雀と趣味は多彩。娘に勧められ、「スマホデビュー」も果たした。先日は学生時代の友人と箱根に訪れ、「徹夜で麻雀したよ」と若々しく笑う。孫宝に恵まれる一方で、妻が心臓病を患い、離れての暮らしを強いられるようになった。「夫としてできる限りのことはしたい」。愛妻家としての顔をのぞかせる。
○…「座右の銘は『ぐうたらべえ』だよ」といたずらっぽく笑うが、自由気ままな生活を送るためにやるべきことはすばやく実行してきた。来月に84歳の誕生日を控えるが、気力体力ともに充実。早くも違ったジャンルの本の執筆に取りかかっている。「たった一度の人生。楽しくなきゃ意味がない」。衰え知らずの「護身バカ」は、今日も己を研鑽する。
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