保育支援団体「麦の会」の会長を務める 小野 菊代さん 海老名市在住 56歳
「誰かの為」が自分の幸せに
○…東地区文化センターを拠点に、子育て世帯向けの講座で保育などを請け負う「麦の会」。36年以上続く団体の代表に就任してちょうど2年が経った。「どんなに忙しくても赤ちゃんを抱っこすると、スッと空気が抜ける。癒しです」と明るく笑う。5月から同センターで始まる連続講座を前に、現在仲間集めなど準備に励んでいる。「はじめは泣いていた子どもが、帰りたくなさそうにしてくれると嬉しくなる」とやりがいを語る。
○…生まれは佐賀県。昔から子どもが好きで、絵本作家を夢見たこともあった。結婚前はイラストレーターや保育助手として学童保育のサポートをした経験をもつ。麦の会に関わるようになったのは、同センターでの保育付き講座に参加してから。「子どもが大きくなったらやめるつもりだったが、いい人ばかりで」。体調を崩し一度は離れるものの、あと少しだけ、もう少しだけと思いながら今まで活動を続けてきた。保育付き講座以外では夏祭りや文化祭でのサポートなど、充実した日々を送っている。
○…宮沢賢治の大ファン。「賢治の生涯を知ってから銀河鉄道の夜を読むと泣ける」と目を輝かせて語る。作品だけでなく、「自分が幸せになりたいなら、周りを幸せに」という賢治の考えに共感している。「誰かのためにやることは大げさな事じゃなくて、結局は自分のためにもつながる」。20年にわたるボランティア活動の原動力だ。
○…活動をより充実するため、目下の課題は新メンバーの獲得だという。現在、メンバーは10人。高齢化も進みつつあるという。「人手が足りていれば、おもちゃを作ったり色々なことができる」。今ある活動を継続しながら、さらなる充実をめざしていく。「ボランティアはできる人ができる時にできる分だけ楽しく。人とのふれあいがあるからやめられないんです」。持ちつ持たれつ、子どもたちを優しさで包んでいく。
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