厚木医師会すこやか通信(31) 関節リウマチの治療の進歩 厚木医師会 古田 泉
関節リウマチは大昔からある病気ですが、その原因が不明だった為、長らく不治の病とされてきました。
しかし近年の医学の進歩により、その原因物質として自己免疫の異常により、産生されるサイトカインという蛋白質が発見されました。以後、それをきっかけに治療法もどんどん進歩してきています。
昔はただ消炎鎮痛剤を対症的に使うしか方法が無かった為、関節変形が進行し寝たきりになってしまうケースが多かったのですが、リウマトレックス等の抗リウマチ薬の治療により、かなり良くなる患者さんが増えてきました。
さらにここ数年で、遺伝子組み換え技術等の最新のバイオテクノロジーを駆使して開発された生物学的製剤の登場により、関節リウマチは、まさに劇的に改善される病気になってきています。
現在、私のクリニック(厚木中町クリニック)でも、レミケード、エンブレル、アクテムラ、ヒュミラの4剤の生物学的製剤を使用しておりますが、以前の治療法より格段に効果が出やすくなっています。
カラダのあちこちの痛みが緩和して楽になったということだけでなく、関節に水がたまり歩けなかった人が歩けるようになったり、痛みのため、仕事が出来なかった人が復職するなど、実際に効果が表れた事例があります。本当に医学の進歩にはありがたいと感じています。
生物学的製剤は、値段が高いことと、専門医でなければ使えないことがネックではありますが、試してみる価値のある治療法です。
関節リウマチは、完治できる時代になりました。そのため2002年から、以前の病名であった慢性関節リウマチから「慢性」という文字が削除されています。病名が変わるくらい治療法が進歩したということです。医学の進歩というのは本当にすごいですね。
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