横内謙介の劇場シアター談義 ―9―
つかこうへいの作品
三回忌を迎えるにあたり、弟子筋の演劇人たちで『つかこうへい祭』をやろうと取り決めた。来たる6月30日、7月1日に厚木市文化会館で上演する扉座公演『つか版・忠臣蔵-厚木あゆコロ篇-』はその一環である。私は正式な弟子ではなかったが、生前つかさんには、公私に渡ってお世話になった。何よりも35年前、つかこうへい事務所の『熱海殺人事件』を厚木高校演劇部の先輩に、チケット代を奢って貰って観ることがなかったら、芝居になんかハマることはなかっただろう。最も憧れ、影響を受けた演劇人である。
しかし師の作品を自分で上演するのは初めてだ。影響が強すぎて、何もかも模倣になってしまうのが嫌になり、敢えて離れた時期が長い。それが今回は、思う存分つかこうへいの世界を追求しようと思っている。原作は小説で、松坂慶子さん主演でTVドラマ化はされたが、ついに舞台劇としては上演されなかった幻と呼ばれている作品である。それを私が脚本化し、徹底的につかこうへいスタイルで演出して、恩師へのオマージュとする。あの頃のつかファンにも、まったくつかを知らぬという人にも、ぜひ見て欲しい、演劇界の遺産相続公演である。
劇作家・横内謙介
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