横内謙介の劇場シアター談義 ―10―
パルコ跡地の利用について
理想を語るのは簡単だけど、現実的なことを考えたら、そこで何をしたいかではなく、何が出来そうかを検討する必要がある。たとえば文化施設を作るにしても、それを回す人材がいるのか。映画館なら、映画愛に溢れつつ、興行まで、きちんとこなせる腕利きが張り付かなくちゃ上手く回るはずがないし、ギャラリーならアートの、スタジオなら音楽の目利きで、且つプロデュース力を持つプロがそこに常駐してくれなくては、きっと失敗する。
逆に良い人材がいるのなら、その分野に特化して徹底的にやるのが良いと思う。アートやカルチャーというものは、突出した才能と情熱が時代と大衆を半ば強引に牽引してゆくものだ。みんなで相談して、凄いモノなんか出来た試しはない。大事なのは、これはと思う才能を見つけ出し、その人物にすべてを委ねてしまうことだ。
下北沢は演劇の街で知られているけど、それは本多一夫さんという、飲食店経営者が30年前、独自に『スズナリ』というキャパ150の小劇場を作り、その後『駅前劇場』(150)、『本多劇場』(400)と、規模を拡大していった結果に過ぎない。たった一人の人物が成し遂げた業績なのだ。
劇作家・横内謙介
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