横内謙介の劇場シアター談義 ―11―
実は何でも揃ってるんだ
この夏と秋、厚木でミュージカルと歌舞伎が見られるということをご存じだろうか。素人の発表会じゃない、東宝製作のロンドンミュージカルと松竹の大歌舞伎だ。隣りに凄い才能を持つ人がいても、気が付かない、認めようとしないのが日本人の大きな欠点だと、故井上ひさし先生はよく語っておられた。凄いモノはいつも遠くにあるものだと思い込んでいる。その習慣は歌舞音曲に対する感覚にもあって、厚木に来るのなんか手抜きだろうとか、二流品だろうと決めてかかっている人も多い。
ブロードウェーで見る以外、歌舞伎座で見る以外は、全部まがい物だわよ、なんて。
ま、そういう人たちは、そう言ってる自分に酔ってるんだろうから、そっとしておくけど、地方公演をドサ回りと言ってた時代はとうに終わっているのである。
人気アーチストだってCDが売れない今、最も大事にしてるのはライブツアーだ。そしていろんな街を旅しつつ比べている。どの街が最も楽しんでくれたか。自分たちをノセてくれたか。厚木には立派な文化会館があって、そこに市村正親も猿之助一門も来て、至高の芸を披露してくれるのだ。彼らをノセなくて、なんの文化都市か。
劇作家・横内謙介
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