遊休農地を転用して、個人で太陽光発電所を建設した 白井 靖男さん 上古沢在住 69歳
「我慢しなくちゃね」
○…原子力や火力の代替エネルギーとして注目を集める太陽光発電。上古沢の自宅近くの遊休農地を転用し、このほど個人としては珍しい太陽光発電所を建設した。約200平方メートルの土地に108枚のソーラーパネルが並び、一般家庭用太陽光発電の8軒〜10軒相当の電力を発電。地域で電力を創出し活用する新たな取り組みがスタートする。「東日本大震災後の計画停電を経験して、原発に依存しない再生できるエネルギーを日本に普及させたいと思った。現場でやってみて、ノウハウや実験結果を披露していけたら」と穏やかな口調で話す。
○…1943年、横浜市生まれ。2歳の時に父の実家のある中伊豆町に疎開し、中学3年まで過ごした。神奈川に戻り、高校・大学を卒業後、東京写真大学(現東京工芸大学)に勤め、研究と教育畑一筋。専門は光エネルギー変換と触媒化学。66歳で定年後も、名誉教授として非常勤で学生たちと向き合う。「卒業しても頼ってくる教え子が大勢いて嬉しい。こちらがエネルギーをもらうこともありますよ」と目を細める。
○…発電所の建設を機に、グリーン化学研究所を設立。「自然の中にはまだいっぱい神秘がある」と、電力事業をベースに農業や鉄細菌、環境の研究を行っていく。座右の銘は「忍耐」。研究も普段の生活もすべてが同じ、「我慢しなくちゃね。良い結果も出ないでしょう。発電所も忍耐。自然が相手ですから」と笑う。
○…2人の子どもは独立し、現在、妻とネコと暮らす。趣味は登山と、幼少のころから始めた渓流釣り。ヤマメやイワナを釣りに、北海道や長野県などにも出かける。これからに水を向けると「豊かになるためにあらゆるものを犠牲にする資本主義経済はつまらない。社会の価値観が見直されてゆったりと生きられるのが夢。その中で、再生可能エネルギーが生かせたらと思う」。生涯現役。研究者としてのひた向きな熱意を感じた。
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