かたことNOTE
▽何事も体験と、森の里地区の住民らによる地域交通「森の里ぐるっと」に乗ってみた。金曜日の午前11時、発着所のスーパー三和で車を待っていたのは買い物帰りのご婦人３人。車内は敬老会の貸切旅行のよう。「キンモクセイが咲きましたね」「○○さんは今日はもう乗ったの？」…にぎやかな声が定員８名の車内に響く。「荷物が重くて、昔は坂の途中で10回くらい休みながら帰っていた。今は毎回ぐるっとのお世話になっている」。そう嬉しそうに話すのは、同乗した今年米寿の女性。ぐるっとのおかげで、ご近所以外の話し相手もできたという。それぞれの家の前で停車し「またね」とあいさつして降りていく。途中で住民を乗せながら、およそ30分で地区を一周。何だか愉快な小旅行だった。▽「ぐるっと」には、乗り降りを手助けする助手も同乗している。階段を上った先に玄関がある住宅も多く、そんな時には乗客の荷物を玄関口まで抱えていく。久しぶりに乗った人に「元気？大丈夫だった？」と優しく声をかけることも。「おもてなし」の心あふれる風景だ。運転手と助手は、それぞれ定年を迎えた地域の住民が担当している。▽この制度、市が導入支援に関する要綱をまとめており、実は市内の他地区でも始めることが出来る。車がないと買い物や通院に苦労する…というのは森の里だけの話ではない。第２、第３の「ぐるっと」が市内を走れば、厚木はもっと元気になれそうだ。
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