1982年から32年間、小鮎駐在所に勤務し地域と子どもを見守り続けた警部補の清野晴光さん(61)が6月21日、小鮎小学校(土屋健司校長)で保護者ら約200人を前に講演した。
この講演会は同小、飯山小、小鮎中のPTAと小鮎地区青少年健全育成会が主催する「小鮎いどばた会」の一環。同会は、子育てのための地域交流を目的に、保護者や教師、地域住民が集まり、専門家を招いた講演会やグループディスカッションを実施している。今年は地域の”お巡りさん”として慕われる清野さんに、感謝の意を込めて講演が依頼された。
この日のテーマは、「親として地域人として子どもたちのためにできること」。清野さんは、「深夜に、女子中学生と父親がケンカしながら駐在所に飛び込んできた」など、地域や子どもと正面から向き合ってきたエピソードを交えながら「愛情をもって心と体で接すること」の大切さを伝えた。
小鮎小に通う2人の子どもを持つ永島直子さん(37)は「自分以外に尽くす清野さんの温かさを感じた。地域と交流できる貴重な機会になりました」と話した。
地域と歩んだ32年間
清野さんは、今年3月に定年を迎えたが、地域の強い要望があり再任用として現在も同駐在所で勤務している。福島県出身で、高校卒業後に警察官を目指し上京。職場で出会った妻と24歳の時に結婚し、子どもを3人授かった。子育てのために妻に退職を頼むと、駐在所に入ることが条件と言われたという。夢が刑事だったため迷いもあったが、「夫婦で子育てすることができ、地域の人たちに成長させてもらえて、今考えると良い人生を歩むことができました」と振り返る。
卒業後に駐在所を訪れてくれるのは、決まって厳しくした子どもたちだという。「思いが伝わっていたんだな」とこの仕事で良かったと感じる瞬間だと話す。
清野さんは「学校の先生や地域の方には感謝しています。恩返しのつもりで頑張っていきたい」とまだまだ地域に尽くす心構えだ。
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