公益財団法人ニューテクノロジー振興財団が主催した「第35回全日本マイクロマウス大会 マイクロマウス2014」が11月21日から23日まで東京工芸大学で初めて行われ、約380人が参加した。大会は一般来場者も観戦でき、期間中は約200人が訪れた。
この競技は、1977年にIEEE(米国電気電子学会)が提唱したことが始まり。日本では80年から毎年開催されている世界で最も歴史あるロボット競技会。毎年出場する人も多く、「ライバルは昨年の自分」で、技術向上を競い合うことも目的としている。
期間中は、参加者が作った自立型ロボットが自らの力だけで迷路を探索し、その知能と速度を競うマイクロマウス競技のほか、ロボットに定められた周回コースを走行させ、自律操縦の巧みさとスピードを競うロボトレースなどの競技の予選と決勝が行われた。
22日に行われたマイクロマウスクラシック競技決勝は、スタートとゴールの位置のみ記憶されているロボットが、16×16区画の迷路を7分間の持ち時間で5回走行し、その最速タイムを競うタイムアタック。
ロボットの走行がスタートすると会場にいる人はぐっと息をのんで、ロボットの動きを真剣に追っていた。”遠いゴール”に参加者のマイクロマウスは大苦戦。マウスが迷路の壁にぶつかってストップすると会場から「ああ!」と声が上がった。初めて競技を見に来たという東京都在住の女性は「ロボットの未来は楽しみですね」と声を弾ませていた。
同競技決勝に出場した東京工芸大学からくり工房の吉田哲也さん(3年)は「5回連続で何にもぶつからず走行することをめざしたが、4回目でぶつかってしまった」と悔しさをにじませた。
実行委員長の鈴木秀和准教授は「学生にとっては良い経験になった。実行委員会を含め皆が楽しめた。そういう意味では大会は大成功」と振り返った。
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