大儀見優季選手、永里亜紗乃選手の父である永里正彦さんが、美智子夫人と現地観戦したFIFA女子ワールドカップカナダ大会を振り返っての手記を本紙に寄せてくださいました。
カナダへの旅費は娘たちが出してくれた。トーナメントに入り、ベスト4へ進出することを信じて航空券を購入した。
私は国内で彼女たちを観守り続け、家内が海外へ足を運ぶことが我が家の慣例だった。亜紗乃が代表に選出されたことがきっかけとなり、夫婦二人で娘二人を見たいという強い気持ちが湧き上がり、大会前に娘たちからプレゼントされた背中に「Yuki」「Asano」と入ったレプリカユニフォームを持って決勝の地であるバンクーバーへ向かった。
試合前に国歌が流れる。夫婦で大きな声で一所懸命に「君が代」を歌った。今大会が私にとっては初めて生で見る娘たちの海外での国際試合だった。
長い間、彼女たちを指導者として、親としての両方の立場で観てきた。いつの間にか純粋に親目線となり、この地で「夫婦で見守る」に辿り着いたように思う。
ここまで来るのに「随分険しい道のりを歩んできたな」と感じる。「お父さんは半分コーチだったよね」と北京オリンピックが終わった頃、優季に言われた時に心が救われたことを思い出した。
二人の娘が試合の中で同じピッチに立った瞬間を生で見ることはできなかったが、決勝の終わりを告げるホイッスルが吹かれ、ピッチ内にチームメートが駆け寄る中、いの一番に娘二人がお互い歩み寄り、涙ぐむ亜紗乃を母親のように抱擁している優季が目に飛び込んできた。
娘たちの仕草に私たちの視線は釘付けとなり、目頭が熱くなり、涙が頬を溢れ落ちていた。
アメリカ色に染められた超アウエーであるBC PLACE(競技場)には5万4千人もの観客が訪れていた。大会表彰式にFIFA関係者が登場すると、不正に対してと思われる小さなブーイングが起きた。
商業化されるスポーツの世界ではあるが「すべての国に、すべてのアスリートに、健全で、公平であるべき」と言わんばかりの大きなメッセージに聞こえた。
試合前、私が22番、家内が17番のユニフォームを着た姿が国際映像として全世界に配信されたことに驚かされた。
(永里 正彦)
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