長編ミステリー『ブラックメイル』上下巻を(株)文芸社から出版した 斎田 祐造さん 恩名在住 76歳
厳しくも優しい素顔
○…今なお真相は明らかになっていない「大韓航空機撃墜事件」を題材に、事実とフィクションを織り交ぜた長編ミステリー小説『ブラックメイル』。国際政治の裏側に潜む不条理に真正面から主人公が挑む壮大な物語だ。8年の歳月をかけて完成させた大作を前に「本に装丁されると、なかなか良いね」とほほ笑む。
○…「構想は20年ほど前からあった」。早稲田大学を卒業後、テレビ朝日へ入社。編成部長、国際局長などを歴任し、ドキュメンタリー番組の制作に携わっていた頃から興味のある題材だった。いっぽうで、映像にするには障壁が多い内容。「退職したら本にしよう」と心に決め、取り掛かったのは67歳の時だった。
○…まず始めたのは、資料を集め読み込むところから。日本を飛び出し、モスクワ、ベルリンなど本に登場する都市を取材に回った。実際の事件が題材なだけに、事実の間違いがないように。「それでいて、フィクションの部分も辻褄が合うようにするのは難しかったかな」と振り返る。市内書店では地元作家の誕生にコーナーも設けられた。処女作にして700ページ超。「読む人は大変かもしれない」と苦笑する。
○…横浜で生まれ幼少期に厚木へ。南毛利小・中、厚木高校を卒業。大学時代は航空部へ所属し、空を飛ぶ楽しさにのめりこんだ。マスコミを目指し、テレビ朝日入社後は営業を担当。20年近く経験した後に、編成へと移り、大学で学んだ英語力を買われて国際局の立ち上げにも尽力した。「ローマ法王にも会ったし、サッチャー首相にも」と著名な人を挙げればキリがない。最後の2年間は顧問を務め、現役を退いた。
○…モットーは「何事にもフェアに」。現役時代は「怖い人」と恐れられ、奥様曰く「100%亭主関白」だとか。「そうは言っても従っているけどね」と仲睦まじく笑う。次回作を問えば、「すでに構想はある」との返答が。妻と二人暮らし。
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