人生100歳時代―。「地域に貢献したい」「自身の知識や経験を活かしたい」と起業するシニアが増えている。今春まで「シニア学生」として市内森の里若宮にある松蔭大学に通っていた佐伯洋子さん(67・海老名市在住)は、現在同大学の食堂で喫茶スペースを開いている。9月末のオープンから2カ月半が経ち、大学教職員や学生が集まる”にぎわいの場”になっている。
同大学は2012年度から県内に住む50歳以上を対象にした「シニア学生」制度を開始。佐伯さんはその一期生8人のひとりだ。
大学生活を送る3人の娘を「楽しそう」と感じていた佐伯さん。そんな折にシニア学生制度の存在を知り「これだ」と入学。今年3月に観光メディア文化学部を卒業した。だが「これで大学との縁が切れるのが惜しい」と、大学と関われることがないか思案。テナントが入っていなかった学内カフェテリアの2階を利用し、コミュニケーションスペースを設けることを考え付いた。「松蔭大は留学生も多いのですが、あまり交流がありませんでした。先生や学生、留学生が気軽に話せる場所が欲しかった」とその理由を話す。大学との交渉も順調に進み、9月末に「カフェForest」としてオープンした。
美容師として長年働いていた佐伯さん。「接客は大好き。一度は飲食の仕事をやってみたいなと思っていたんです」と話す。とはいえ美容師時代はスタッフとしての勤務。現在は店舗を持たず訪問美容を行っているが、店舗運営に関しては「全くの素人」状態だった。
それでも店内内装からティーカップの種類までを自分で決定。学生や教職員の登校率が高い火曜と木曜に絞って営業を始めた。コーヒーや紅茶は市販のマシンを使用。これにお菓子を付けて、1杯100〜200円で提供している。店内に飾られているパッチワークは、同じシニア学生が作成したもの。若い学生もボランティアとして活動を手伝ってくれている。
学外の人も利用可能
当初は「10人来てくれれば…」と思っていたが、現在は1日平均40人が利用。若い学生から副学長まで、カウンター越しにいつまでも雑談する姿はまさに、世代を超えたコミュニケーションの場となっている。
訪問美容や大和市教育委員会のボランティアも並行して続けている佐伯さん。「心地よい疲れですよ」と笑顔を見せた。カフェは大学関係者以外も利用可能。
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