1月8日の新春恒例消防出初め式。式の最後に、一人の男性がふんどし姿で現れた。筋骨隆々、日に焼けた肌、担いだまといを振る姿に、会場からは歓声と拍手が沸き起こった。突然登場したこの男性、実はボディビルダーでもある消防職員。今年初めて出初式に登場したその男性に会うべく、睦合分署に向かった。
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▽三冨浩さん(53)。北消防署睦合分署で救急小隊を統括している。出初め式での演武は初めて。「ふざけていると思われないよう、強い消防の心意気を見せようと緊張していた」と笑う。
23歳で消防本部に入庁。消防隊などを経験した後、救急救命士の資格を取って救急隊へ。以後約20年、救急隊として命の現場に立ってきた。24時間体制で業務にあたりながら、当直が明けるとジムへ直行。身体を鍛え上げる。「男は強くなくいといけないから」と、その理由を語る。
21歳の頃「強い男になりたい」とボディビルを始めた。30年以上続け、40歳になってからは毎年大会に出場している。「年をとって、身体が衰えていくのは嫌なので、大会に出られるように鍛えている」という。昨年行われた大会では40歳以上の部で3位に入賞した。
身体を鍛えることが好きと言いつつ、真意は「強靭な肉体を持っていると、精神的にも強くいられるから」。救急の現場で、目の前で息絶えていく人の姿を見る。「死にたくないと言っていた人を救えなかったこと。忘れることができない」と自責の念にかられることもある。日々命の現場に携わる者として、チームの隊長として、「弱っていたらいけない。常に冷静な判断力と動じない心を持って、チームを引っ張っていかなければいけない」と話す。
食事制限やトレーニングなどストイックにこなす三冨さん。気さくで明るく、ふんどしも快く着替えてくれた。「鍛えるのも大切だけど、まずは人への思いやり。技術より心を大切に。後輩にはそう指導しています」と温かい笑みを浮かべた。
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