厚木市は、市が取り組むべき空き家対策の基本的な考え方をまとめた、空家等対策計画を2月15日に公表した。空き家の解体や利活用を促進するため、解体や取得にかかる費用を助成する制度を創設する予定で、新年度予算案に1000万円を計上している。
この計画は、国が定める「空家等対策の推進に関する特別措置法第6条」に基づいて策定したもの。横浜市や相模原市、松田町、秦野市では既に計画が策定されていて、県内の自治体で厚木市は5例目。
市は2016年2月に小林常良厚木市長を会長に、有識者や公募市民で組織する対策協議会を立ち上げ、7回の協議や市民参加条例に基づく意見交換会、パブリックコメントを経て計画をまとめた。
市は空き家の実態を把握するため、実態調査を実施し755戸の空き家を特定。空き家の所有者にアンケート調査を実施し、状況や意向の分析を計画に盛り込んだ。
計画は市内全域の一戸建て住宅が対象。期間は17年度から5年間。空き家化の「予防」、管理不全な空き家の「解消」、空き家の「活用」促進の三つを柱に、具体的な施策を展開する。
成果指標としては、把握する空き家の総数を755戸から増やさないように予防することや、特定空家を発生させないこと、近隣に迷惑を及ぼす恐れのある管理不全の空き家(205戸)を5年間で25%以上減らすことなどが明記された。
計画は市ホームページや市内公民館、図書館などで閲覧することができる。
また、市は対策の重点事業として、新年度は管理不全の空き家のうち特に改善が必要な建物約30戸について集中的に取り組むほか、戸建てを持つ高齢者に向けた啓発活動を行う。
さらに、空き家の解体や取得に対して助成制度の創設を予定。条件を満たせば解体費用の2分の1(上限50万円)、500万円以上の物件取得に対して一律50万円の助成が受けられるよう、新年度予算案に1000万円を計上した。3月には弁護士や司法書士、不動産事業者などの専門家、団体と協定を締結し、空き家の流通・活用の促進をめざす。
市住宅課の担当者は「時間をかけて作り上げた計画。これからがスタートなので、計画に則って空き家対策を具現化させていきたい」とコメントした。
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