郷土文化の新たな活動拠点と文化財資料等の収蔵機能を担う施設として、県立中央青年の家跡地(下川入)に建設計画が進められていた「(仮称)あつぎ郷土資料館」。このほど実施設計が完成、今年10月から工事に着工することが決まった。完成は2019年3月の予定、総事業費は約9億円。
1970年に図書館として建設された建物を改修し、98年11月に開館した「厚木市郷土資料館」。建設後50年近くが経過しており、老朽化や収蔵スペース不足などが問題となっていた。市は2007年の「市民公園整備構想」の中で、青年の家跡地(下川入)を移転対象地区に位置付け、その立地を生かした郷土資料館や体験学習施設、自然観察施設等の設立を提案。13年4月に策定された「中心市街地の公共施設再配置計画」では老朽化への対応と機能向上のため、早期に移転を行うべきとされた。15年3月にパブリックコメントを実施。同年9月に基本方針が作成された。15年度中には市民らが協議委員として参加する審議会を5回実施。16年度までに近隣説明会も6回行い、地域住民や関係者との話し合いを重ねてきた。敷地内にあった旧菁莪小学校(1966年廃校)校舎の撤去作業、埋蔵文化財の調査も昨年度末までに完了、今年10月に建築工事に着工する運びとなった。
市担当者は「展示と収蔵の機能だけではなく、教育と学習機能も備えた建物。郷土への愛着と誇りを育む拠点施設になるよう事業を進めています」と話す。
最新機器導入で文化財借り入れ可能に
建設予定の建物は鉄筋コンクリート造2階建で、延床面積は1580平方メートル。1階は常設展示室や企画展示室のほか、間仕切りを外せば活動発表のステージにもなる体験学習室2部屋を設置。展示室には初めて、高機能空調機器・エアタイトケースを導入した。これにより、他施設からの重要文化財などの借り入れ展示も可能となる。2階には、市が所蔵する約17万点の資料を収蔵。市内7カ所に分散保管されている資料が一カ所に集約される。また、敷地内には約30台分の駐車場を確保。カフェなどの飲食提供は現状予定していないが、ドリンクの販売機を設置し、繁忙期にはキッチンカーの手配も検討中だ。
資料館に隣接して約1万平方メートルの敷地を使った「自然園」も整備予定。散策路や季節の花壇、ベンチなどを設置し、市民の憩いの場として資料館とともに名所化したい考えだ。「自然が豊かなところなので、地域の人たちと協働して、イベントなども実施していきたい」と担当者は話している。
現在、寿町にある資料館は来年4月に全館休館となる予定。跡地は児童館としての利用が検討されている。
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