▽ぼうさいの丘公園スケートパークに、夜な夜な滑走する音が響く。時には高く飛び、板を回転させ、板をひっかけて滑るなど、まるでスケートボードが足にくっついているかのように巧みに操る。大会に招待されるほどの腕前だが、「自由に、気持ちよく滑るほうが好き」と本音を漏らす。それでも「プロを目指して自分のできる最大限の事をやらないと」と闘志を燃やす。2020年東京オリンピックの種目にも追加されたスケートボード。「たとえ出られなくとも、何かしらの形で関りたい」
▽スケートボードに出会ったのは小学校1年のクリスマスの朝のこと。2つ離れた兄の枕元に置かれていた。板を操る様を見て、かっこいい、ではなく「楽しそう」と火がついた。両親に頼み込み買ってもらい、それからというもの、暇さえあれば家から10分の公園に通った。もちろん怪我はつきもの。歯は4回、肘は2回折ったが、ギプスをしながらも滑り続けた。「朝起きたら顔を洗い、歯を磨くような、もはや生活の一部」。
▽初めてスポンサーがついたのは小学5年の時。ライディング映像を制作して本厚木駅前のムラサキスポーツに持ち込んだ。大会にも当時から参加しており、両親と3人の兄弟、同居する祖父母も応援に駆け付けていた。現在は同店の無料スクールで講師も務める。小学校の時に習っていたピアノの経験を生かし、ライディング映像に自分で製作した音楽をのせることも。
▽19歳とはいえスケート歴10年超。業界内では顔が広い。「将来はスケートに関わる仕事に就けたら」。板を抱えて国士舘大学に通学し、アルバイトをしながら合間を縫ってスケートする毎日。「好きなことだけをしていてもダメ。将来の幅を広げるために、今も大事に」と、スケート仲間と勉学も切磋琢磨している。「一般的にはスケートに良いイメージがないかもしれない」と分析。「次の時代を創っていくのは僕らの世代。考えて行動していかないと」。市内長谷在住。
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