放射線に関する学習会を行った「いせはら市民平和実行委員会」の委員長を務める 浜本 大藏さん 高森在住 70歳
子どもの未来のため
○…先月27日に、食と子どもの安全をテーマにした放射線に関する学習会を開催し、赤ちゃんを連れた母親たちおよそ100人が訪れた。「放射線に対する市民の懸念は予想以上に高かった」と振り返る。参加者からは「被災地周辺でとれた野菜は安全か」「食材をどのように調理すれば少しでも除染できるか」といった質問が相次いだ。「次回は栄養士の方もお呼びして、より正確な情報を提供できるようにしたい」と話す。
○…学習会を主催した「いせはら市民平和実行委員会」には25年前の発足当時から参加し、現在は委員長を務める。伊勢原市平和都市宣言を市民の間で広めようと、小学生を対象にした戦争関連の童話の読み聞かせや、毎年8月に行われる平和のつどいの中で平和展を行うなど会の活動は盛んだ。定期的に開く学習会ではおもに戦争や平和を考えてきたが、震災のあった昨年からは福島の原発、放射線にも焦点をあてている。
○…石川県に生まれ、5歳の時に戦争で父を亡くした。高校までを金沢で過ごし、18歳で建設省に。その後、霞ヶ関の本省へ移ると、都内の夜間大学に通った。戦後間もない思春期に抱いた「なぜ人は生きるのか」「人生とは何か」に対する答えを哲学に求めた。卒業後「現場に立って子どもたちに生きる意味を教えたい」と教師の道に進み、神奈川県内の高校で教鞭をとった。28歳で結婚、住宅購入を機に36歳で伊勢原へ。定年後は、私立大の非常勤講師として社会科教育法などを指導、現在も教壇に立つ。
○…委員会の活動に加えて授業準備も重なり忙しい毎日。「趣味はないですが、孫と遊ぶのは楽しいですね」とにっこり。今後も学習会などを通じて命や平和を考えていくという。「子どもたちの将来は明るくなくてはいけない。理屈でなくそう思うんです」。無邪気に遊ぶ孫の背中を見つめた。
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