市内石田の杉崎正枝さん(70)宅に2月19日、赤い風船が空から降ってきた。風船に結ばれていた短冊には神戸町立神戸小学校と書かれており、この風船は岐阜県から約300Kmを旅して伊勢原に着いたものだった。
正枝さんが風船に気づいたのはこの日の正午過ぎ。すぐに正枝さんは夫・登さん(71)と風船に駆け寄った。小学校の住所が記された短冊の表には「片桐真由佳」という名前、裏には「新校舎すごくきれい」というコメントが書かれていた。
風船が伊勢原に着く2日前、岐阜県の神戸小学校(今津昭雄校長/511人)では校舎の竣工式が開かれた。明治6年創立の神戸小では、校舎の老朽化による全面建て替えが行われた。児童、教員、保護者たちは、新校舎への思いを短冊に書きおよそ600個の風船を空に放って竣工を祝った。
片桐真由佳さん(10歳・当時3年)も式典に参加した一人だった。真由佳さんの風船を拾った正枝さんは、「とてもかわいらしい字が心に響いて、真由佳ちゃんに手紙を出したいと思った」と振り返る。
正枝さんは翌日、真由佳さんに絵葉書を送った。風船を受け取ったことを報告したほか、新校舎の完成にもふれ「勉強頑張って」と激励した。
3月、今度は真由佳さんから正枝さんに封筒が届いた。そこには新校舎の写真や真由佳さんからの手紙が入っていた。手紙には「風船を拾っていただいてありがとうございました。(中略)風船が(伊勢原に)届いたと聞いた時にはとてもうれしかったです」と感謝の気持ちがつづられていた。
「いつか伊勢原に」
こうしたやり取りについて、登さんは「箱根の山を越えやって来た風船が私たちを温かい気持ちにしてくれた」と喜び、正枝さんも「暗いニュースが多いなか、孫のような真由佳ちゃんが明るい話題を届けてくれた。ありがとう」と感謝する。
一方、真由佳さんの母・寿子さん(44)は「娘に心温まるメッセージをくださり感謝でいっぱいです」とコメント。真由佳さんも「友だちからもすごいねと言われてうれしかった。神奈川には行ったことがないけど、いつか伊勢原に行ってみたい」と話している。
神戸小の富田肇教頭によると、風船を拾ったという連絡は山梨や千葉、横浜、鎌倉などから15件ほどあった。富田教頭は「わざわざ手紙を送ってくださったことに子どもたちは感謝しなければいけません」と話している。
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