第46回衆議院議員総選挙は12月16日に投開票が実施され、小選挙区神奈川16区(伊勢原市・厚木市・愛川町・清川村・相模原市の一部)では、自民党新人の義家弘介氏(41)が民主党前職の後藤祐一氏(43)との接戦を制し、初当選を果たした。敗れた後藤氏は比例区で復活当選した。
義家氏は参議院議員から鞍替えして初めて衆院選に挑戦した。「ヤンキー先生」として知られる高い知名度に加え、地元の市議や県議なども精力的に選挙戦を展開、安倍晋三総裁や小泉進次郎青年局長など党の要職も応援演説にかけつけ、保守の議席を奪還した。
伊勢原市をはじめ、すべての自治体で後藤氏の票を上回り、差は8077票だった。
午後11時45分ごろ、テレビで「当選確実」が報じられると、市内田中の選挙事務所は大きな拍手と歓声に包まれた。最後まで勝敗が分からない接戦だったこともあり、吉報に涙を流す支援者の姿もみられた。
義家氏は日付が変わった午前0時33分、厚木市内の事務所から田中に駆けつけ、集まった50人を超える支援者たちと万歳三唱。「帰る場所もない自分を伊勢原の皆様も本当に温かく迎えてくださった」と厳しい選挙戦を振り返り「一つも浮かれることなく、これからもしっかり働かせて頂きます」と深く頭を下げた。
低い投票率
一方、「義家氏、当確」の速報に、後藤氏の事務所からはため息が漏れた。後藤氏は支援者に挨拶し、事務所を去った直後に「比例区当選確実」の一報が入った。後藤氏はすぐに事務所に戻り「天は見捨てませんでした」と涙をぬぐいながら声を張り上げた。「再び国会で、そして地元でも皆様と共に働かせて頂きます」と加えた。
維新新人の富山泰庸氏(41)は、公示直前に急きょ出馬を表明したこともあり、支持を広げることができなかった。今後の16区での活動について「今はまだ考えられない」と話した。 共産新人の池田博英氏(50)は、消費税増税・TPP反対、原発ゼロなどを訴えたが票を伸ばせなかった。「大多数とはいかないが、共感してくれる人が広がったのでは」と振り返った。
伊勢原市内の投票率は前回総選挙より10・48ポイント低い、59・06%だった。
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