伊勢原版 掲載号:2017年1月1日号

新春インタビュー

しあわせ創造都市の実現へ 社会

高山市長2期目の取り組みへ

2期目の抱負を語る高山市長
2期目の抱負を語る高山市長
 本紙では2期目を迎えた高山松太郎市長に新春インタビューを行った。市長はこれまで取り組んできた「健康づくり」「観光振興」「新たな土地利用」「子育て環境づくり」の分野に更に力を注ぐとし、大きな変革期を迎える伊勢原で市民の幸せを実現する取り組みを進めるとした。

―高山市政2期目がスタートしました。まずは1期目を振り返り、課題と2期目の抱負をお願いします。

 昨年9月、任期満了に伴う市長選挙で、無投票という結果でありましたが、引き続き、市長として市政執行にあたらせていただくことになりました。これまでの4年間、市民目線での市政運営に全庁一丸となって取り組んできました。

 第5次総合計画に掲げる「しあわせ創造都市いせはら」を念頭に様々な課題に迅速に取り組んできました。「健康づくり」の分野では、健康バス導入による市民の健診のきっかけづくりを、「観光振興」の分野では、特急ロマンスカーの伊勢原駅への停車の実現、「大山詣り」の日本遺産認定による更なる観光の活性化を、「新たな土地利用」の分野では、東部第二地区の市街化区域編入と土地区画整理事業の着工など、一定の成果が見えてきています。

 これからの4年間は、これらの取り組みにさらに磨きをかけ、「しあわせ創造都市いせはら」の実現をめざし、市政発展のために取り組んでいきます。

―新たな柱として加わった「子育て環境づくり」の展望をお聞かせください。また新年度にどのようなことに着手しますか。

 少子高齢化の進展に伴い、我が国では本格的な人口減少社会が到来していますが、少子化への対応は、遅くなればなるほど、市の活力の停滞や後退を招くことになります。このため、子育て支援、ワーク・ライフ・バランス、雇用創出などの担当部署が連携・連動して、子育て環境の充実に関する取り組みを総合的に推進する必要があります。各事業の連携を図り、若い世代の妊娠・出産・子育ての希望を実現するとともに、子育て世代の転入と定住を促すための様々な子育て支援施策を推進し、少子化の流れに歯止めをかけたいと考えています。

 新年度の具体的な取り組みとして、医療機関や地域団体などと協働しながら、総合計画に掲げる子育て支援等に関する個別施策の充実を図ります。さらに、子育て支援に関する全体的な情報を一元的にまとめ、妊娠期から青年期に至るまで、子育てに関する切れ目のない総合的な相談・支援体制として、市民の皆さんに分かりやすい情報提供の仕組みの構築を予定しています。子どもの貧困対策などへの対応も含め、これらの喫緊の課題に対応する取り組みに磨きをかけ、近隣市に先駆けて始めた一般不妊治療及び不育症治療に対する助成制度の創設や、小児医療費助成制度における対象年齢の拡大、本市の充実した医療環境を活用した病児・病後児保育室の開設、放課後子ども教室の増設などの少子化対策とともに、出生率の回復や転入者の増加に寄与する企業誘致などを両輪として、子育て世代の皆さんに「住んでみたい・住み続けたい」と選んでもらえるまちづくりに力を注いでいきたいと考えています。

「スピード感を持って」

―昨年は「大山詣り」が日本遺産に認定され、日向薬師では270年ぶりの大改修を終えました。観光面で大きく注目される伊勢原、この機会にどのように伊勢原をPRしていきますか。

 本市の貴重な財産である「大山詣り」のストーリーが、昨年4月に日本遺産に認定されて以降、8月の山の日記念イベント、道灌まつり、大山の紅葉ライトアップなど様々なイベントを実施することで、大山の魅力、日本遺産の魅力を発信しました。昨年11月には、落慶を終えた日向薬師宝城坊を中心とした日向地区の魅力発信にも取り組み、比々多地区なども含めた広域的な観光を推進し、市内における観光滞在時間の延長につなげ、観光消費額のアップ、さらに国際観光地を目指した取り組みを進めていきたいと考えています。

―昨年の熊本地震をはじめ、県内の施設では大きな事件も起きました。様々な危険から市民を守る対策をお聞かせください。

 昨年は、全国各地で自然災害が多い年であったと思います。本市でも台風9号、10号により土砂災害や河川氾濫が発生する可能性が高まり、避難準備情報も発表しました。近年、異常気象による風水害が多発し、いつ災害が起こるかわからない状況の下、防災対策の充実を図る必要があります。

 本市でも避難勧告等判断・伝達マニュアルを作成し、的確なタイミングで災害情報を市民に周知し、適切な防災行動をとれるよう、訓練を行っています。地震や風水害などの自然災害に備えるため、「自助」「共助」の取り組みをはじめ、市内事業所との災害時協力協定を強化するとともに、同時被災しない県外自治体との相互応援協定の締結を進めてまいります。

 また、災害時に自分で避難できず、情報を得ることが難しく、何らかの助けを必要とする高齢者や障害者などに対して、あらかじめ地域の方に援護者を決めておく災害時要援護者避難支援制度などを実施しています。さらに、災害弱者に対する対策として、一般の避難所では支障をきたすおそれがあり特別な配慮が必要な高齢者、障害者などが避難できる福祉避難所を設置するため、市内15カ所の福祉施設などと災害時協定を締結しています。今後も防災対策の充実、危機管理体制の整備を図り、市民が安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。

―昨年11月に国道246号線に新たな橋を架けた新東名高速道路。東部第二地区など、進む今後の土地活用についてお聞かせください。

 市内における新東名高速道路事業は、供用開始が目前に迫る中、市内全域で建設工事が進められており、昨年は(仮称)伊勢原ジャンクション建設工事として、現在の東名高速道路や、国道246号を跨ぐ橋りょうの架設工事などが行われました。平成29年には、市内西部で高取山トンネルの掘削や、小田原厚木道路を跨ぐ橋りょうの架設が予定されています。

 新東名高速道路の(仮称)伊勢原北インターチェンジ周辺地区では、東部第二土地区画整理事業に続く産業用地の創出の取り組みを進めており、昨年4月には土地区画整理組合設立準備委員会が設立され、土地利用について研究、検討が行われています。これを受け、市では測量調査などを実施して詳細な検討を図るための支援をするとともに、インターチェンジ開設予定の平成30年度を目標に事業化を図りたいと考えています。

 併せて、本市の恵まれた医療環境や交通アクセスなど、地域の優位性を生かした企業誘致に取り組み、進出企業のニーズをとらえて計画的な産業集積を促進しています。

 東部第二土地区画整理事業では、都市計画道路横浜伊勢原線沿道で、歌川産業スクエアに続く新たな産業用地を創出するため、産業系市街地の形成を図っています。平成27年4月に区画整理組合が設立され、約22ヘクタールの区域で土地区画整理事業が進められており、平成30年度からの企業立地の開始、平成31年度の工事完了を目指し、市では事業が計画どおり進捗するよう支援を行っています。

 こうした取り組みにより、新たな雇用機会の確保や地域経済や産業の活性化を図っていきたいと考えています。

―新年度の予算査定も大詰めを迎えるころ。今年度は過去最大の予算規模となりました。一般会計の歳入の柱となる市税収入を含め、見通しはいかがですか。

 歳入の根幹である市税のほか、譲与税及び各種交付金などの一般財源の一部は、景気回復の減速に加え、マイナス金利政策、消費税増税先送りにより、その原資が縮小し、財政見通しは楽観視できません。景気の先行きは不透明感が強く、引き続き、気を引き締めて経済動向等を注視してまいります。

―最後に市民に向けてメッセージをお願いします。

 広域幹線道路やインターチェンジの整備など、伊勢原市を取り巻く環境は、これまでに経験したことのない、大きな変革期を迎えようとしています。この大きな変化をチャンスと捉え、着実に前へ進んでいかなければなりません。前例にとらわれず、目に見える成果主義を基本とした働き方の改革を進め、市民の幸せを実現するためにスピード感を持って取り組んでいきたいと考えています。伊勢原に暮らす市民の誰もが「ふるさと伊勢原」をもっと好きになり、日々の暮らしの中で、より幸せを感じることができるよう、一生懸命取り組んでいきます。(聞き手/本紙編集長・勝浦勝)

工事が進む新東名と東部第二地区
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