新米の収穫が終わり、いよいよ新酒の仕込みシーズンが始まった。伊勢原市内で唯一の蔵元である神戸の吉川醸造株式会社(吉川勝之代表)でも新酒の仕込みが4月まで続く。連日仕込み作業に追われる同社を取材した。
吉川醸造(株)は創業1912(大正元)年。かって煙草の製造販売を行っていたが、国の専売事業になったことから商売替えし酒造事業に参入。以前は醤油や味噌なども製造していたが現在は酒造業のみを展開している市内唯一の蔵元だ。
同社の酒作りを一手に担う現在の杜氏は7代目の水野雅則さん(39歳)。先代杜氏のもと6年間の修業を経て2012年から杜氏に就任している。
自社ブランド「菊勇」の上撰は伊勢原市の推奨観光みやげ品にも選ばれている。また、アルコールを足さない自然に近い製法が近年人気なのが純米酒。同社の「相模大山純米酒」は、酸味と甘みが調和した辛口が特長で、1シーズンに製造する日本酒の半分を占めるという主力商品だ。仕込み水に大山の地下伏流水を使用し、原料の米も厳選した国産酒造好適米を使用して伝統の味を守り、現在40種類もの日本酒を販売している。
取材時は日本酒のもとになる「酒母」造りの作業が行われていた。「酒母」は米の糖分をアルコールに変化させる作業。樽の中で温度管理しながら酵母を増やしていく。中をのぞくと白い表面がプツプツと泡立ち、ほのかにアルコールの香りが漂い酵母が育っていることが分かる。この後もろみ作り、圧搾機による絞り、ろ過、加熱処理などを経て新酒が完成する。
現在新酒として、にごり酒と生酒が出荷済で、年内に吟醸酒、年明け2月末から大吟醸、純米大吟醸が出荷されるという。
今年の出来について水野さんは「米の刈り取り時期に天候不順で心配したが、雑味が少なく、フレッシュで良質な味に仕上がっている。伝統を損なわないよう、良いところは残し、さらに良くできれば。お客様に喜んでもらえた時が何よりうれしい」と笑顔で話した。
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