3月15日に開かれる「ローズコンサート」に出演する「Voice」フルート奏者 廣江 香奈子さん 上土棚南在住
音学でなく音楽を
○…演奏や清掃など、福祉・環境における活動をするNPO法人「ヴォイス」。そのメインの活動となるバンド演奏で、紅一点、フルートを奏でる。6年前、文化団体連盟の書記として活動していた頃に、同法人を立ち上げたメンバーの相談を受け、提案や助言をしているうちにバンドに溶け込み、今ではその軸となっている。幼少から極めたフルートは、団塊世代の心を掴んで離さない。
○…9歳の頃、テレビドラマでみた女優、神崎愛さんに憧れて、それまで習っていたピアノからフルートに転向した。「女優なのにフルートもできるなんて素敵じゃないですか」。少女の頃に返り顔がパッと明るくなる。その後オーケストラや室内楽でも奏で、吹奏楽団にも所属。現在はプロ・アマ混在の吹奏楽団で活動している。ただ、コンクールには出ない主義。「オンガクは音楽でなくちゃね。音学では、お客様も楽しくないんじゃないかと思って」。音楽におけるモットーは、自分もたのしく、相手も楽しめる事。
○…バブルの頃は、昼間に仕事をして、夜はバーなどでジャズやボサノヴァを演奏する日々。「寝れなくても全然平気、良い時代でした」。若かりし頃を穏やかに振り返った。本職は秘書。国際秘書の資格を持ち、19歳からずっと勤めている。書類申請など事務仕事はお手の物で、文化団体連盟の書記は10年以上任されていた。その矢先に出会ったのが「ヴォイス」のメンバーだった。ジャンル違いのバンドミュージック。指揮もない、正確なテンポもないフィーリングで奏でる音楽はストレスの発散にもなる。
○…バンドは昨年大幅にリニューアル。新生「ヴォイス」は民謡からジャズまで幅広い音楽を、セミプロレベルの楽力で披露する。「あゆみは遅くとも進歩してきた。本番はたくさんの人に楽しんでもらいたい」。本番前は集中的に練習し磨きあげる。「まずは自分達が楽しみます」と微笑んだ。