心伝える口筆の詩画 寺尾本町在住の金子 寿さんが展覧会
綾瀬市寺尾本町在住で、肢体不自由の障がいを抱える金子寿さん(51歳)が、口に筆を加え描いた詩画の展覧会を綾瀬市中央公民館2階のレストラン綾瀬で開いている。展示は4月30日まで。火曜・第3水曜定休。
4月1日から同レストランで始まった、金子さんにとって6回目の展覧会となる今回のテーマは「命の水を詩画に」。草花が水をうけ生きる姿に、仲間や家族から思いやりや優しさなど『水』を貰って生きている自分たちを重ねた。会場には金子さんが描いた水彩詩画25点と、金子さんに絵画指導している小林三夫さんらの作品6点が並ぶ。
展示されている金子さんの詩画は昨年の東日本大震災発生後に描かれたものが多い。震災に胸を痛めた金子さんは「被災された方の辛さや落ち込みに、障がいから立ち直れた自分の心を伝えることで何か希望など兆しになれたら」と話す。
金子さんは体操選手を志していた高校生の時、体操部の練習中に鉄棒から落下して首を骨折。首から下の自由を失った。同じ障がいを抱える仲間や家族らに励まされながらリハビリを重ね、近隣の小・中学校の講演会で命の大切さなどを説くように。1998年には身体障がい者の国体「全国障害者スポーツ大会」に県の代表として出場し、金メダルも獲得した。
詩画を始めたのは01年頃。絶望の中から自分を立ち直らせ、支えてくれた家族や妻に感謝の気持ちを伝えようと、自己流で口に筆を加えて描き出した。市内で美術活動をする小林さんと出会い、それからは絵の技術を磨きあげている。鉛筆で下書きをし、水彩で色を重ね、仕上げにパソコンに書き留めておいた詩をのせていく。ひとつの作品を仕上げるのに丸2日はかかるという。切磋琢磨し、07年に初の展覧会を市内で開くまでになった。
展示期間中、金子さんは週に2、3日程度会場を訪れる予定という。「多くの方に見ていただき、命の尊さや希望、周囲への感謝などを感じて頂ければ」と話している。
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