市内綾西在住の堀江幹夫さん(56歳)が「第94回全国高校野球選手権神奈川大会」の始球式で投手を務める。堀江さんは藤沢商業高校OBで第55回同大会の優勝投手。開会式は7月8日(日)、横浜スタジアムで正午から行われる。
堀江さんは藤沢商業高等学校(現・藤沢翔陵高等学校)卒。183cmの長身から投げ下ろす速球と鋭い変化球が持ち味で、3年生だった1973年の第55回大会で優勝し、甲子園に出場した。
野球を本格的に始めたのは高校生から。岐阜県出身で、父の転勤のため中学生時代に茅ヶ崎市へ転校後は特定の部活動に所属せずにいたが、持ち前の運動神経の良さから3年生の夏、野球部のピッチャーを頼まれた。市内大会で、当時県トップクラスの中学を相手に得点を許さない好試合を展開。試合には惜敗したがスカウトの目が留まり、いくつか誘いがあった中、熱心な金子裕監督に心が決まり藤沢商業高校へ進学した。
神奈川大会の思い出は、高校3年の最後の夏を目前に控え39年前のちょうど今頃40度の高熱を出した事。筋肉に力が入らず朦朧とする中、エースとしての責任感がマウンドに立たせた。激戦を勝ち進む中で調子を徐々に取り戻し、決勝戦はベストコンディションで桐蔭学園に勝利。同校初の甲子園への切符を手にした。卒業後は日本鋼管(現・JFEスチール)の主力投手として12年間活躍した。
5月初旬に始球式投手の話がきた時は「みっともないピッチングはできないので、断ろうと思った」と堀江さん。31歳の引退後はまともにボールを握らなかった。ただ「名誉な事、今までお世話になった人への感謝を込めて投げたい」と考えた。「きっと公式な投球として最後の一球になる。勝負とは違う緊張を感じている」と話している。
7月8日に開幕する同大会。今年は県内の190校の高校球児が甲子園出場をかけて競う。
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