12月12日から18日まで「ギャラリーダダ」(横浜そごう9F)で初の個展を開く 釣谷 みよ子さん 綾西在住
幸せ宿る絵画、心で描く
○…「チャーミング」という言葉がぴったりの笑顔いっぱいで開放的な振る舞い。「あやせ文化芸術祭」の会場では来場者に声を掛け、絵に込めた想いや自分が虜になった日本画の魅力を伝えていた。生涯学習講座で絵を描くことに出会い、美しい作品に出会い、素晴らしい師匠に出会えた。「私は普通の主婦。無料で絵が習えるから、と始めた事がこんな現在に繋がって、本当にあらゆる事に感謝しています」
○…日本在来の技法や画材を使う「日本画」。その公募展「日本美術院展覧会」(通称「院展」)で秋に3度の入選を果たし「院友」の称号を持つ。日本画を始めてから展覧会にも多く足を運ぶようになり、やがて憧れた「院展」。「素人からすれば雲の上のような舞台。でも、目指して頑張って勉強すれば必ず叶えられる」。瞳に力をこめて話す。時の運と人の縁あって多くの技法を学び、著名な作家に師事できた。「もちろん努力もたくさんしてきたし、今もしています」。美大生らと肩を並べ、時には1日18時間絵と向き合う。
○…絵に込めているのは「感謝」や「幸」の魂。その源には自分が日頃感じている幸福がある。「私はラッキーなの」。義母の介護をしていた時に「お母さん、私たちがいるからお母さんは絵を描いてね」と言ってくれた当時高校生だった娘たちや、母が先立った部屋をアトリエにしてくれた理解ある夫。母が残した介護用ベッドも今では電動で動く作業台として重宝している。大きな愛に恵まれて「毎朝目が覚めて、あぁ今日も元気で幸せだなぁって思うの」
○…絵が生きてくる時を「恋をしているみたいにときめく」と表現する。長時間のデッサンやアトリエで1人深く考えていた想いが、やがて絵と共有できるようになる。あるフクロウの作品を贈った人が「この子が毎朝話しかけてくれる」と言うほど、作品には魂が宿る。温かい心を届けたくて、今日も製作に向かう。