"鷹匠"で町興しを ショーの定期開催めざし吉岡で訓練
日本の伝統文化「鷹狩り」を保存・普及させ、町おこしの一助になれば――。市内吉岡で、「鷹匠」ソアレス・エドアルドさんが相棒のハリスホーク3羽と訓練に励んでいる。
ブラジル出身のエドアルドさんは20年ほど前に2年間市内綾西で暮らした。「綾瀬はすごくいい街。自分の持つものが綾瀬の地域活性に繋がれば」と話す。青春時代から憧れていた鷹匠の技術を独学で学んだ。「日本では伝統文化であるはずなのに、学ぶ場所がほとんど無い」。伝統文化であり、勇ましく愛らしい鷹への理解を広めようと2012年にNPO法人「ラプター・ジャパン」を立ち上げた。
日本の伝統文化
鷹狩りは、中央アジアやモンゴルを起源に発祥し、シルクロードを伝ってヨーロッパや中国へ伝来、日本へ広まった文化とされている。戦国時代、鷹は身分の高い人しか所有することを許されず、織田信長や徳川家康も鷹狩りを好んだといわれている。木々が多く平地の地形。「『春日原』と呼ばれたこの地では、江戸時代にも鷹狩りが行われていたかもしれない」とエドアルドさん。NPO設立後は鷹狩りの文化保存や伝承・普及の活動をすすめるためイベントやセミナーの企画・運営をしている。
5月9日には大和市内の保育園園児らを対象にしたフライトショーを行い、18日には海老名市でも柏ヶ谷中学校の歴史研究部の生徒に鷹匠体験を行ったばかりだ。地元を大切にしているが、活動は全国に及ぶ。
”魅力を伝えたい”
初めての人でもグローブをつけて手の上に飛来させることができる。「鷹はとても賢い。きちんと調教されているのですぐにふれ合える」。生き物とのふれあいを体験してもらうことで自然愛護の想いを引き出すことや子どもたちの情操教育もねらいのひとつ。また、鷹はカラスやハトの天敵とされており、鷹がいる認識をさせることで害鳥対策にもつながるという。
現在は知人の協力により、吉岡の地で鷹のトレーニングを行っている。平地と木々がある綾瀬の地は鷹にとって好条件で、気象条件が悪くなければ基本的に毎日行っている。理解を得られれば、「公園などの施設などで定期的にショーを開きたい」と話す。市内で開かれる祭りへの参加もめざし、精力的に活動を行う。「興味があれば、技術も教えるし、イベント開催も可能。ぜひ多くの人にこの魅力を伝えたい」とエドアルドさんは話している。
問合せは同NPO【電話】046・234・1448へ。