屋外デッキに設置された2台のパラボラ型ソーラークッカー。太陽熱を使い慣れた手つきで調理をしているのは、日本ソーラークッキング協会の会長を務める鳥居ヤス子さん=人物風土記=だ。
取材の日、鳥居さんは白米を炊いていた。「遠赤外線効果で、こんなに美味しそうに炊けるのよ」と蓋をあけると、中にはほかほかのご飯。他にもケーキや焼きいも、ポップコーンなどを見せてくれる。
ソーラークッカーは鳥居さんが愛用する「パラボラ型」の他に、「箱型」や「パネル型」がある。効率よく短時間で高温が得られるのはパラボラ型で、40〜50分もあればケーキを焼くことができるそうだ。
鳥居さんによると、凹面鏡で焦点を合わせた時の温度は200度になるという。中央に設置する鍋は黒い物が熱伝達効率が良く、なければマジックなどで黒く塗った鍋でも代用できる。「高級なものより、百円ショップで売っている厚みのない物の方がいいの」と、コツを教えてくれる。
ソーラークッキングを始めて約30年。今では炒め物や煮物、味噌汁など日中の調理はほぼソーラークッカーでまかなっている。「うっかり忘れても黒焦げや火事の心配もなく安全だし、美味しくてエコで経済的。慣れるととっても楽しいですよ」と、楽しみながらエコライフを送っている。