小園自治会(矢部彰孝会長)が災害時の安否確認を行うためのツール「黄色いハンカチ」を作成した。障害者自立支援センターばらの里に700枚の作製を依頼し、自治会内で75歳以上の高齢者が暮らす家全てに配布している。
近年の大規模地震やゲリラ豪雨による水害・大規模土砂災害等を受け、防災訓練で安否確認を導入した小園自治会。2400世帯を抱える同自治会では、実際の災害時にも安否確認だけで相当な時間を要するため、他県などで行われている「黄色いハンカチ」を昨年の防災訓練で、市内自治会で初めて試験的に取り入れた。
このハンカチは玄関やベランダなど道路から見える場所に掲げることで「我が家は大丈夫。他の人を助けて欲しい」という意思表示になり、安否確認の時間を短縮できる効果がある。「災害では自助・共助で助かる割合が9割と言われている。安否確認は1件1件、家族全員が無事かを確認しなければならないので、世帯数が多い小園地区では非常に有効だと思う」と矢部会長は話す。
大切なのは意識の向上
ハンカチは75歳以上がいる全世帯のほか、自治会役員、9区150人の組長全員にも配布する。それぞれの地区をまとめる人たちが実践することで主旨や意図を浸透させ、意識の向上につなげるためだ。
「作ったのでやってくださいの丸投げでは、意味がないし続かない。防災訓練などで活用し、いざという時に役立てられるようにしないと」と矢部会長。「どこにしまったか忘れた」ということがないよう、保管場所の指導なども検討していくという。
ハンカチは、同自治会が行う9月28日と11月2日の防災訓練で使用される。「できれば全世帯に配布したい。モデルケースとして市内に広がれば」と矢部会長は今後の展望を話した。