綾瀬・海老名・座間3市の119番通報の受信や災害出動指令など、消防通信業務の一元化を目指して設置が進められていた「消防指令センター」の開所式が3月28日に行われた。4月1日から共同運用が始まっており、3市の約34万人の生命と財産を守る拠点として機能していく。
119番通報の受信や災害出動指令は従来、各市で指令室を設け互いに連携を図ってきた。しかし近年では消防行政の環境が複雑化してきたことで、広域化する災害への対応や、高い水準での住民サービス提供など効率化を含む基盤強化が課題となっていた。
消防行政の広域化に関しては、2008年から綾瀬・海老名・座間の3市による指令業務の共同運用に関する議論と検討が重ねられ、11年に同センター開設が決定。14年に相鉄「かしわ台」駅東側の旧海老名消防署北分署跡地で、建物が完成した。
最先端システムの導入や3市の消防指令業務が共同指令センターに集約されることで、高度化・効率化が期待できるという。
迅速化に一役
同センターでは3市の災害発生状況や消防・救急車両の出動状況の情報を、一元化して把握する。今後119番通報はすべてここで受付け、行政区に関係なく相互応援出動することで現在よりも迅速な対応が可能になる。
また、高齢者や障がいがある人、いわゆる「災害弱者」に対しても新たな対応が始まる。耳や言葉の不自由な人からの要請については、これまで在宅時の使用を想定したファックスで対応していたが、外出先からの要請も可能にするため携帯電話やスマートフォンからインターネットで通報できる「WEB119」を導入した。
加えて、経費の削減も見込まれている。16年5月末までに消防無線のデジタル化が国の方針で決定している。3市が統合することで設備投資の抑制や人件費の削減、施設整備費、維持管理費の節減などがある。
式典で内野優海老名市長は、「今後、市の壁を超えてセンターをどう運用するかが重要になる。消防職員の皆さんには、一致団結をお願いしたい」と激励した。
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