綾瀬出身の漫画家・尚桜子(本名・山口尚子)さん(東京都杉並区在住)が4月末に、著書「助産師さん呼びましょうか?」をKindle版電子書籍で発行した。同書籍は発売以来、Amazonの電子書籍「妊娠・出産」ジャンルの漫画でコンスタントに1位を獲得している。
「助産師さん呼びましょうか?」は元々、ブログで公開していた自身の妊娠・出産体験漫画。長女出産の時に体感した妊婦の現実を、漫画という形でリアルにわかりやすく伝えたいという思いから描いた。
「共感できることがたくさんある」「私はこんなことが大変だった」など反響は良く、出版社から書籍化の話は何度もあった。しかし、どれも多少の再編集が必要だったため全て断り、「このままで形にしたい」と、自費で1冊の本にまとめた。その際、夫のコラムを差し込むなど男性向けの要素も盛り込んでいる。
今回の電子化は、東京ビックサイトで毎年行われている「クリエイターEXPO」に昨年出展した祭、出版社の目に留まり実現したという。全125話を5つに分け、コラム含む本の全ての内容がAmazonでダウンロードコンテンツとして販売されている。
「これはプロの商品というより、自分のこだわりを詰め込んだ作品。取材した医療機関にも協力いただいたので、恩返しに売上の利益分は全て日本赤十字社に寄付しています」と尚桜子さんは話す。この取り組みをきっかけに、今後は漫画以外のところでも、妊娠している人の支援活動を考えているようだ。
昨年のクリエイターEXPOをきっかけに進行している仕事もあるそうで、漫画家としての今後の活躍も注目される。
尚桜子さんは大学卒業後に独学で漫画を学び、24歳でプロデビュー。大手出版社の漫画雑誌掲載経験を持ち、現在はフリーで活動している。市内ではあやせ産業まつりのポスターや、シルバー人材センターパンフレットのイラストなども手掛けている。